チェビシェフ・ノード
📂数値解析チェビシェフ・ノード
定義

[−1,1]からxk=cos(2n2k−1π)、k=1,⋯,nをチェビシェフ・ノードという。
説明
チェビシェフ・ノードは、通常使われる等間隔のノードポイントとは異なり、半円の弧を等しい大きさに切り分け、その点をx軸に投影して得られるノードポイントを言う。点の分布は、中央よりも両端に少し集まる形をしている。下で説明するが、この点こそがチェビシェフ・ノードの利点である。
チェビシェフ・ノードという名前がついた理由は、これらの点がチェビシェフ多項式のゼロだからである。
チェビシェフ多項式: Tn(x)=cos(ncos−1x)を第1種チェビシェフ多項式という。
- [1]: Tn(x)の根はxk=cos(2n2k−1π)、k=1,⋯,n
チェビシェフ多項式と同様に、チェビシェフ・ノードも豊かな数学的特性を備えており、特に数値解析で直ちに応用が可能である。補間であれ、微分方程式を解くメソッドであれ、ノードとしては等間隔よりも悪いと思うかもしれないが、むしろ両端点に関する情報が多いため良い結果が得られる。等間隔のノードは数式的操作は簡単かもしれないが、比較的重要ではない情報を多く取りすぎると見ることができる。
簡単な例として、言及された補間の例を見てみよう。
ポリノミアル補間:
- [4] 実際の関数との誤差:(n+1)階微分可能なf:R→Rとあるξ∈H{x0,⋯,xn}に対し、fのポリノミアル補間pnは、あるt∈Rに対してf(t)−pn(t)=(n+1)!(t−x0)⋯(t−xn)f(n+1)(ξ)を満たす。
f(x)−pn(x)=(n+1)!(x−x0)⋯(x−xn)f(n+1)(ξ)
上の誤差では、f(n+1)と(n+1)!はもはや手の施しようがない。これからの誤差は完全にx,x0,⋯,xnに依存するが、xは変数だから一旦横に置いておこう。このx0,⋯,xnをどう与えるかによって誤差を減らすことが可能なら、盲目的に等間隔のノードからデータを集めるのではなく、最初から良いノードから集めた方がいいだろう。これからx0,⋯,xnをチェビシェフ・ノードと呼んでみよう。
T0(x)=1
T1(x)=x
Tn+1(x)=2xTn(x)−Tn−1(x)
したがって、Tn+1(x)の最高次の項の係数は2nであり、チェビシェフ・ノードをゼロとして持つので
Tn+1(x)=2n(x−x0)⋯(x−xn)
一方、∣Tn+1(x)∣≤1のため、2nを左辺に移して絶対値を取ると、次のように驚くべき結果が得られる。
⟹∣(x−x0)⋯(x−xn)∣≤2n1∣f(x)−pn(x)∣≤2n(n+1)!f(n+1)(ξ)
もちろん、2n1にバウンドできるだけでもすごいが、実際にはそれだけではなく、これ以上誤巴を減らすことができないという事実が知られている。つまり、チェビシェフ・ノードは、誤差を大幅に減らすだけのノ-ドではなく、最適なノードであることが保証されているのである。