非線形1階偏微分方程式の特性方程式
📂偏微分方程式非線形1階偏微分方程式の特性方程式
- xとpに関して、偏微分方程式の変数を強調する時は普通のフォントでx,p∈Rnと表記し、sの関数であることを強調する時は太字でx,p∈Rnと表記する。
特性メソッド
開集合 Ω⊂Rnが与えられたとしよう。u∈C2(Ω)が以下の非線形1階偏微分方程式の解だとする。
F(Du, u, x)=0
そしてx,z,pを以下のように置こう。
x(s)z(s)p(s)=(x1(s),…,xn(s))∈C1(I;Ω)(s∈I⊂R)=u(x(s))=Du(x(s))
ここでxが以下の式を満たすと仮定しよう。
x˙(s)=DpF(p(s),z(s),x(s))
するとp(s)とz(s)はそれぞれ以下の常微分方程式の解となる。
⎩⎨⎧p˙(s)=−DxF(p(s), z(s), x(s))−DzF(p(s), z(s), x(s))p(s)z˙(s)=DpF(p(s), z(s), x(s))⋅p(s)x˙(s)=DpF(p(s), z(s), x(s))
説明
特性メソッドは非線形1階偏微分方程式を解く方法の一つで、一つの偏微分方程式を連立常微分方程式に表して解くことである。
導出
以下のような非線形1階偏微分方程式が与えられたとする。
F(Du,u,x)=0
このとき、Ω⊂Rnは開集合であり、F∈C∞(Rn×R×Ω)と仮定する。そして、以下のような境界条件が与えられたとする。
u=g on Γ
特性メソッドのアイデアは、与えられた境界条件を利用して固定されたx∈Ωとx0∈Γを結ぶΩ内の線を見つけることである。言い換えれば、u∈C2が(eq1),(eq2)を満たす解であるとき、次の図のような線に沿ってuの値を得ることが目標である。

図の線が以下の関数で表されるとしよう。
x(s)=(x1(s), ⋯, xn(s)),s∈I⊂R
x(0)=x0として、xがsが増加するにつれてΩ内の線に沿って動くと考えよう。sによるuの値をzという関数で表現しよう。
z(s):=u(x(s))
同様に、sによるDuの値をpとしよう。
p(s):=Du(x(s))
するとp(s)=(p1(s),…,pn(s))のとき、各成分は以下のようになる。
pi(s)=uxi(x(s))
sに対する微分を簡単にdsdf=f˙と表記しよう。dpi(s)=uxix1dx1+⋯uxixndxnなのでp˙i(s)は以下のようになる。
p˙i(s)=j=1∑nuxixj(x(s))x˙j(s)
このときdF=Fp1dp1+⋯Fpndpn+Fzdz+Fx1dx+⋯+Fxndxnなので(eq1)をxiに対して微分すると以下のようになる。
j=1∑nFpj(p(s),z(s),x(s))pxij(s)+Fz(p(s),z(s),x(s))zxi(s)+Fxi(p(s),z(s),x(s))=0
このとき(eq3),(eq4)によってzxi=uxi=piであり、(eq4)によってpxij=uxjxiなので、これを上記の式に代入すると以下を得る。
j=1∑nFpj(p(s),z(s),x(s))uxjxi(x(s))+Fz(p(s),z(s),x(s))pi(s)+Fxi(p(s),z(s),x(s))=0
しかし、上記の式を見ると(eq5)のためにuxixjという2階微分項が生じたことが分かる。1階偏微分方程式を解くために2階微分を解くのは適切でないため、この項を取り除く必要がある。このために、x˙の各成分が以下を満たすと仮定しよう。
x˙j(s)=Fpj(p(s),z(s),x(s)),∀ s∈I⊂R
(eq6)に(eq7)を代入して(eq5)を利用すると以下のような式を導き出せる。
p˙i(s)=−Fz(p(s),z(s),x(s))pi(s)−Fxi(p(s),z(s),x(s)),∀ s∈I(i=1,…,n)
また、(eq3)をsに対して微分すると以下のようになる。
z˙(s)=j=1∑nuxj(x(s))x˙j(s)
ここに(eq4)pi=uxiと(eq7)x˙j=Fpjを代入すると以下を得る。
z˙(s)=j=1∑npj(s)Fpj(p(s), z(s), x(s)),s∈I⊂R,
このような過程で得られた(eq7),(eq8),(eq9)を以下のように整理して2n+1の連立方程式として表現したものが特性方程式である。また、各未知数p(s),z(s),x(s)を(eq1)の特性という。
⎩⎨⎧p˙(s)=−DxF(p(s), z(s), x(s))−DzF(p(s), z(s), x(s))p(s)z˙(s)=DpF(p(s), z(s), x(s))⋅p(s)x˙(s)=DpF(p(s), z(s), x(s))
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