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同相型 📂集合論

同相型

定義 1

集合 $X$ 上で同値関係 $R$ が定義されているとしよう。$x \in X$ に対して、$x / R := \left\{ y \in X : y R x \right\}$ を$x$ の同値類と呼ぶ。与えられた$X$ の全ての同値類を集めた集合を$X / R := \left\{ x / R : x \in X \right\}$ のように表現する。

説明

表現が少し汚く見えるかもしれないが、例を考えれば全然難しい概念ではない。自然数集合 $\mathbb{N}$ 上で$3$ で割った余りが同じならば同値とし、$x,y \in \mathbb{Z}$ が同値なら$x \equiv y \pmod{3}$ のように表現しよう。$5,7$ は$3$ で割った余りがそれぞれ$2,1$ なので同値ではないが、$11,17$ は$3$ で割った余りが$2$ になるので、$11 \equiv 17 \pmod{3}$ のように書くことができる。 $$ 1 \equiv 4 \equiv 7 \equiv 10 \equiv \cdots \pmod{3} \\ 2 \equiv 5 \equiv 8 \equiv 11 \equiv \cdots \pmod{3} \\ 3 \equiv 6 \equiv 9 \equiv 12 \equiv \cdots \pmod{3} $$ 上の計算から分かるように、$1$ の同値類は$( 1 / \equiv) = \left\{ 1, 4, 7, 10, \cdots \right\}$ であり、$2$ の同値類は$(2 / \equiv) = \left\{ 2, 5, 8, 11, \cdots \right\}$ であり、$3$ の同値類は$(3 / \equiv) = \left\{ 3, 6, 9, 12, \cdots \right\}$ であることが分かる。$3$ より大きい数からは上記の三つの同値類が繰り返され、したがって、 $$ (\mathbb{N} / \equiv) = \left\{ 1 / \equiv , 2 / \equiv , 3 / \equiv \right\} $$ 上の例から確認できるように、同値類は次のような常識的な性質を持つ。

基本的な性質

  • [1] $x / R \ne \emptyset$
  • [2] $ x / R \cap y / R \ne \emptyset \iff xRy$
  • [3] $x/R = y/R \iff x R y$
  • [4] $x / R \cap y / R \ne \emptyset \iff x/R = y/R $

証明

[1]

$R$ は$X$ 上の同値関係であるため、反射性により、全ての$x \in X$ に対して$x R x$ かつ、$x \in x / R$ が成り立つべきだ。

戦略 [2][3]:$x,y$ と別の$z$ を一つ選び、同値関係の対称性と推移性を利用して式をつなげる。

[2]

$x/R$ と$y/R$ は空集合ではなく、$X$ 上の同値関係であるため、$x/R \cap y/R \ne \emptyset$ であり、これはある$z$ に対して $$ \begin{align*} & z \in x / R \land z \in y / R \\ \iff & z R x \land z R y \\ \iff & x R z \land z R y \\ \iff & x R y \end{align*} $$ と同値である。

[3]

$( \implies )$ $x/R = y/R$ であれば$x/R \cap y/R \ne \emptyset$ であるため、[2]により$x R y$


$( \impliedby )$ $x R y$ であれば、全ての$z \in x / R$ に対して$z R x$ だ。$x R y$ であるため、$R$ の推移性により$z R y$ かつ、$z \in y / R$ である。要約すると、 $$ z \in x / R \implies z \in y / R $$ 集合の包含関係の形で変えてみれば、 $$ x / R \subset y / R $$ 同じ方法で$ y / R \subset x / R$ を得ることができるので、 $$ x / R = y / R $$

[4]

三段論法により、[2]と[3]から、 $$ x / R \cap y / R \ne \emptyset \iff xRy \iff x/R = y/R $$


  1. 이흥천 역, You-Feng Lin. (2011). 집합론(Set Theory: An Intuitive Approach): p147. ↩︎