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超関数、一般化された関数 📂シュワルツ超函数

超関数、一般化された関数

定義1 2

$\Omega \subset \mathbb{R}^{n}$が開集合だとしよう。テスト関数空間の連続な線形汎関数 $T : \mathcal{D}(\Omega) \to \mathbb{C}$を超関数distributionと定義する。つまり、超関数はテスト関数空間の双対空間の要素だ。だから、

$$ T \in \mathcal{D}^{\ast} $$

と表記し、$D^{\ast}$を**(シュワルツ)超関数空間**(Schwartz) distribution spaceと呼ぶ。

説明

distributionという名前は、質量が一点に集中した点質量などを表現するために考案されたディラックのデルタ関数の影響を受けているようだ。直訳すれば分布だが、数学者は超関数と呼ぶ。他の名称であるgeneralized functionは、厳密には関数ではないディラックのデルタ関数のようなものを厳密に定義した概念で、そのために付けられた。超関数の定義で重要な部分は連続性である。連続関数になる同値条件によって、超関数$T$が連続であるということは以下を意味する。

$$ \phi_{j} \to \phi \implies T(\phi_{j}) \to T(\phi) $$

しかし、テスト関数空間での収束を少し特別に定義した。したがって、具体的に超関数の定義を再記載すると、以下の通りになる。


テスト関数空間 $\mathcal{D}(\Omega)$の汎関数 $T : \mathcal{D}(\Omega) \to \mathbb{C}$が線形(a)であり、かつ連続(b)である場合、これを超関数という。

  • (a) $T(a\phi + b \psi ) = aT(\phi)+bT(\psi)\quad (\phi,\psi\in \mathcal{D},\ a,b\in\mathbb{C})$

  • (b) $\phi_{j} \to \phi \text{ in } \mathcal{D} \implies T(\phi_{j}) \to T(\phi)$

以下の条件を満たす$\mathcal{D}(\Omega)$の関数列 $\left\{ \phi_{j} \right\}$に対して、$\phi_{j} \to \phi \text{ in } \mathcal{D}$と定義する。

  • (c) $\mathrm{supp} (\phi_{j}-\phi) \subset K\quad \forall\ j$を満たす$K \Subset \Omega$が存在する。

  • (d)多重指数 $\alpha$について、$D^{\alpha}\phi_{j}$が$D^{\alpha} \phi$に一様収束する。


超関数の定義に従って、ディラックのデルタ関数は以下のように定義できる。

$$ \begin{align*} \delta_{a} : \mathcal{D} &\to \mathbb{C} \\ \phi &\mapsto \phi (a) \end{align*} $$


  1. Robert A. Adams and John J. F. Foutnier, Sobolev Space (2nd Edition, 2003), p19-20 ↩︎

  2. Gerald B. Folland, Fourier Analysis and Its Applications (1992), p306-307 ↩︎