1次元マップのシンクとソースの同定法
定理1
スムーズなマップ $f : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ に対して、ある $p \in \mathbb{R}$ が 固定点 だとしよう。
- [1] $| f ' (p) | < 1$ の場合、$p$ はシンクだ。
- [2] $| f ' (p) | > 1$ の場合、$p$ はソースだ。
例
$1$次元マップの例として、$f(x) = x^3$ を考えると $f ' (x) = 3x^{2}$ により、固定点 $f(0) = 0$ はシンクで、$f(1) = 1$ はソースと簡単に確認できる。
証明
定理 [1] の証明
$a \in \left( | f '(p) | , 1 \right)$ とする。
$$ \lim_{x \to p} {{ | f(x) - f(p) | } \over { | x - p | }} = | f ' (p) | $$
よって、全ての $x \in N_{\epsilon } ( p)$ に対して、
$$ {{ | f(x) - f(p) | } \over { | x - p | }} < a $$
$\epsilon > 0$ が存在しなければならない。つまり $| f(x) - p | < a | x - p |$ だが、$a < 1$ なので、$x$ に $f$ を適用するたびに、$p$ に近づくことだ。つまり、全ての $k \in \mathbb{N}$ に対して $\left| f^{k} (x) - p \right| \le a^{k} | x - p |$ なので、$p$ はシンクでなければならない。
■
定理 [2] の証明
$a \in \left( 1, | f '(p) | \right)$ とする。
$$ \lim_{x \to p} {{ | f(x) - f(p) | } \over { | x - p | }} = | f ' (p) | $$
よって、全ての $x \in N_{\epsilon } ( p)$ に対して、
$$ {{ | f(x) - f(p) | } \over { | x - p | }} > a $$
$\epsilon > 0$ が存在しなければならない。つまり $| f(x) - p | > a | x - p |$ だが、$a > 1$ なので、$x$ に $f$ を適用するたびに、$p$ から遠ざかることだ。つまり、全ての $k \in \mathbb{N}$ に対して $\left| f^{k} (x) - p \right| \ge a^{k} | x - p |$ なので、$p$ はソースでなければならない。
■
Yorke. (1996). CHAOS: An Introduction to Dynamical Systems: p10. ↩︎