最短ベクトル定理の証明
📂ヒルベルト空間最短ベクトル定理の証明
定理
(H,⟨⋅,⋅⟩)をヒルベルト空間としよう。M⪇Hを空集合ではなく閉じた凸部分集合としよう。するとx∈(H∖M)に対して
δ:=∥x−m0∥=m∈Minf∥x−m∥>0
を満たすm0∈Mが唯一存在する。
説明
部分空間Mが凸であるというのは、全てのx,y∈Mとλ∈[0,1]に対して以下が成立するということだ。
λx+(1−λ)y∈M
些細なことに見えるけど、よく考えれば、ただの一般的な位相空間ではm0が唯一である理由がない。

簡単に図式化して考えると、上の図の右の部分空間Mがかなり単純で、この定理が成立する理由だ。
一方、証明からわかるように、ヒルベルト空間でない内積空間では成立しない。
証明
パート1. δ>0
δ=0と仮定すると、
k→∞lim∥x−mk∥=δ=0
この条件を満たす数列{mk}k∈Nが存在する。つまりk→∞の時mk→x∈M=Mで、これはx∈(H∖M)に矛盾する。
パート2. 存在
平行四辺形等式により、
∥mk−mj∥2==≤=∥(x−mk)−(x−mj)∥22∥x−mk∥2+2∥x−mj∥2−∥(x−mk)+(x−mj)∥22∥x−mk∥2+2∥x−mj∥2−4x−2mk+mj22∥x−mk∥2+2∥x−mj∥2−4δ2
したがってk,j→∞の時、
∥mk−mj∥2→4δ2−4δ2
{mk}k∈Nはコーシー列だ。したがってHはヒルベルト空間であるため、mk→m0となるm0∈Hが存在する。
mk→m0∈M=M
ノルムは連続関数であるため、
∥x−m0∥=x−k→∞limmk=k→∞lim∥x−mk∥=δ
パート3. 唯一性
∥x−m0′∥=δとなるm0′∈Mが存在すると仮定してみると、
∥m0−m0′∥≤2∥m0−mk∥2+2∥m0’−mj∥2−4δ2=4δ2−4δ2=0
したがってm0=m0′でなければならない。
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