カントール集合
📂位相幾何学カントール集合
定義

I=C1=C2=Cn=[0,1][0,31]∪[32,1][0,321]∪[322,323]∪[326,327]∪[328,1]⋮[0,3n1]∪[3n2,3n3]∪⋯∪[3n3n−3,3n3n−2]∪[3n3n−1,1]
としよう。
C:=n=1⋂∞Cn を カントール集合Cantor setと言う。
定理
- [1]: C={x∈I ∣ x=0.x1x2⋯,xi∈{0,2}}
- [2]: C は非可算集合だ。
説明
カントール集合はシンプルに定義されるけど、実解析で重要な例として登場する。
定理[1]はカントール集合のすべての要素が三進法展開するとき、0 と 2 だけで表せるって意味だ。特別に証明する必要はないが、よく考えれば、そんなに難しくなく納得できるはずだ。
一方で、すべての区間の長さを足すと n→∞lim(32)n=0 になり、これが非可算集合ってのはかなり興味深い。この非可算性は普通、定理[1]に カントールの対角線論法を適用して証明する。これはC と自然数集合の間に一対一対応が存在しないことを三進法で示すけど、この過程で特に学ぶことはない。
もっと位相数学的な証明を探してまとめたから、参考にしてほしい。
証明
[2]
Part 1.
当然のことながら、C⊂R なので、距離空間になる。C は閉区間の交わりとして定義されたから、閉集合だ。
ハイネ・ボレルの定理: E⊂Rn について、E がコンパクトであるための必要十分条件は、E が有界かつ閉集合であることだ。
一方で、C⊂[0,1] なので有界で、ハイネ・ボレルの定理により、C はコンパクト空間 である。距離空間がコンパクトであることと完備であり完全有界であることは同値なので、C は完備距離空間だ。
ベールの範疇定理:すべての完備距離空間はベール空間だ。
ベールの範疇定理により、C はベール空間だ。
Part 2.
任意のc∈C と ε>0 について、B(c,ε) は c ではない少なくとも1つの点を含む。
これは C が孤立点を持たないと言い、数式で表すと
(C∖{c})∩B(c,ε)=∅
だから、全体から一点だけ取り除いた C∖{c} はC で稠密集合だ。
Part 3.
C が可算集合だと仮定すれば、C={cn ∣ n∈N} で表せるはずだ。
ベール空間の定義: すべての稠密な開集合の数列 {On}n=1∞ について、n=1⋂∞On が稠密な空間をベール空間と言う。
Part 1でC がベール空間であることを示し、Part 2でC∖{cn} が稠密集合であることを示したから、n=1⋂∞(C∖{cn}) は稠密だ。しかし、n=1⋂∞(C∖{cn})=∅ かつ ∅=C なので、稠密集合ではない。これは矛盾なので、C は非可算集合だ。
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