ディリクレ境界条件が与えられた熱方程式の初期値問題の解
📂偏微分方程式ディリクレ境界条件が与えられた熱方程式の初期値問題の解
説明
⎩⎨⎧ut=γuxxu(t,0)=u(t,l)=0u(0,x)=f(x)
この方程式は、長さがlである1次元空間でのディリクレ境界条件の熱方程式から来ています。
{u(t,0)=α(t)u(t,l)=β(t)
これはα=β=0で与えられ、熱分布に対する初期条件がある場合です。このような問題タイプの中で、これは最も簡単で単純な形です。ここでtは時間、xは位置を表し、u(t,x)は時間t時の熱の分布を表します。γは熱拡散率であり、それが大きいほど分布の変化が速くなります。fは初期条件で、特にt=0時の熱の分布を表します。
解答
熱方程式の解から続きます。
ステップ4. λが固有値かチェック
解の候補がu(t,x)=e−λtv(X)であるが、ディリクレ境界条件のため、
e−λtv(0)=e−λtv(l)=0
従って、非自明解vがv(0)=v(l)=0を満たすか確認する必要があります。
ケース1. λ<0
ある定数c1,c2∈Cに対して、
v(x)=c1e−γλx+c2e−−γλx
従って、
v(0)=0⟹c1+c2=0v(l)=0⟹c1e−γλl+c2e−−γλl=0
これを同時に満たすのはc1=c2=0のみです。v(x)=0なので、vは自明解となり、λは固有値ではありません。
ケース2. λ=0
ある定数c1,c2∈Cに対して、v(x)=c1+c2xなので、
v(0)=0⟹c1=0v(l)=0⟹c1+c2l=0
これを同時に満たすのはc1=c2=0のみです。v(x)=0なので、vは自明解となり、λは固有値ではなくなります。
ケース4. λ∈/R
λ=reiθで表そう。ある定数c1,c2∈Cに対して、
v(x)=c1exp(γrei2θx)+c2exp(γrei(2θ+π)x)
従ってv(0)=v(l)=0から、
[1exp(γrei2θl)1exp(γrei(2θ+π)l)][c1c2]=[00]
ここで、
=exp(γrei(2θ+π)l)−exp(γrei2θl)=det[1exp(γrei2θl)1exp(γrei(2θ+π)l)]0
従って、c1=c2=0であり、v(x)=0なので、vは自明解となり、λは固有値ではありません。
それで、ケース1.、ケース2.、**ケース4.**ではu(t,x)=0です。
ケース3. λ>0
ある定数c1,c2∈Cに対して、
v(x)=c1ei−γλx+c2e−i−γλx
従ってv(0)=v(l)=0から、
[1cos(γλl)0sin(γλl)][c1c2]=[00]
ここで、
det[1cos(γλl)0sin(γλl)]=sin(γλl)
即ち、sin(γλl)=0となるλ=λn:=γ(lnπ)2だけが固有値です。**ケース3.ではステップ5.**に進みます。
ステップ5.
un(t,x):=exp(−l2γn2π2t)sin(lnπx)bn:=l1∫−llf(x)sin(lnπx)dxとすると、u(t,x):=n=1∑∞bnun(t,X)が全てのx∈[0,l]で収束すると仮定しましょう。この解は熱方程式を満たし、ディリクレ境界条件を満たします。展開すると、
u(t,x)=n=1∑∞⟨f(x),sin(lnπx)⟩exp(−l2γn2π2t)sin(lnπx)
t=0の時、
u(0,x)=n=1∑∞⟨f(x),sin(lnπx)⟩sin(lnπx)∼f(x)
従って、収束するならば、初期条件f(x)=u(0,x)も満たされます。
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物理的な感覚で考えると、解答過程でλが正のみ意味をなすのは当然のことです。λは拡散に関する係数であり、これが負になり得るならば、熱力学第二法則に違反する現象が頻発するでしょう。
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