エーネストローム-カケヤ定理の証明
📂複素解析エーネストローム-カケヤ定理の証明
定理
{ai}i=0n⊂R で a0>a1>⋯>an>0 としましょう。すると、多項関数
P(z):=a0+a1z+⋯+an−1zn−1+anzn
において、あらゆる根 z∈C は ∣z∣≥1 を満たします。
証明
もし P(z)=0 の根が z=1 である場合、0=P(1)=i=0∑nai>0 より、根は z=1 でなければなりません。式 P(z)=0 の両辺に z を乗じて元の式から引き、a0 を以下のように表せます。
a0=(1−z)P(z)+(a0−a1)z+⋯+(an−1−an)zn+anzn+1
ここで、P(z)=0 の根 z=1 で ∣z∣<1 を仮定してみると、a0>a1>⋯>an>0 より
⟹⟹⟹∣a0∣<∣(1−z)P(z)∣+(a0−a1)+⋯+(an−1−an)+an∣a0∣<∣(1−z)P(z)∣+a0+(−a1+a1)+⋯+(−an−1+an−1)+(−an+an)a0=∣a0∣<∣(1−z)P(z)∣+a00<∣(1−z)P(z)∣
ですが、z=1 が P(z)=0 の根であることを仮定しているので、以下の矛盾が生じます。
0<∣(1−z)P(z)∣=0
これは、∣z∣<1 という仮定が誤りであることを意味し、結果として ∣z∣≥1 でなければなりません。
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