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ベルヌーイ分布 📂確率分布論

ベルヌーイ分布

定義1

p[0,1]p \in [0, 1]に対して、次のような確率質量関数を持つ離散確率分布ベルヌーイ分布Bernoulli distributionと呼ぶ。

f(x)=px(1p)1x,x=0,1 f(x) = p^{x}(1-p)^{1-x}, \qquad x = 0, 1

説明

コイン投げのように、可能な結果が二つである行為を一度試行する場合を描写する時に使用する。可能な結果が二つであるため、通常x=1x = 1を成功、x=0x = 0を失敗とする。そしてppを成功確率、q=1pq = 1 - pを失敗確率という。このように、可能な結果が二つである実験を一度実施することをベルヌーイ試行Bernoulli trialと呼ぶ。

試行回数をnn回に一般化すると二項分布となり、逆にベルヌーイ分布は二項分布でn=1n = 1である特別な場合であるBin(1,p)\operatorname{Bin}(1, p)と見ることができる。

可能な結果(カテゴリ)を二つからkkつに一般化したものはカテゴリ分布であり、試行回数とカテゴリをすべて一般化したのが多項分布である。

カテゴリ 試行回数
11nn
22ベルヌーイ分布二項分布
kkカテゴリ分布多項分布

基本性質

モーメント母関数

ベルヌーイ分布のモーメント母関数は次の通りである。

m(t)=1p+pet=q+pet,q=1p m(t) = 1 - p + pe^{t} = q + pe^{t}, \qquad q = 1 - p

平均と分散

XBin(1,p)X \sim \operatorname{Bin}(1, p)である場合、

E(X)=p E(X) = p Var(X)=p(1p)=pq,q=1p \Var(X) = p(1-p) = pq, \qquad q = 1 - p


  1. Hogg et al. (2018). Introduction to Mathematical Statistcs(8th Edition): p155-157 ↩︎