リプシッツ連続
定義1
2つの距離空間 $(X, d_{X})$、$(Y, d_{Y})$について、関数 $f : X \to Y$が与えられているとする。全ての $x_{1}, x_{2} \in X$に対して次が成立するような定数 $K$が存在する場合、$f$を $K$-リプシッツ連続Lipschitz continuousと言う。
$$ d_{Y} \big( f(x_{1}), f(x_{2}) \big) \le K d_{X} \big( x_{1}, x_{2} \big) $$
このような定数$K$をリプシッツ定数Lipschitz constantと言う。
説明
ドイツの数学者ルドルフ・リプシッツRudolf Lipschitzの名前から名付けられた。$f$がリプシッツ連続であるとは、平均変化率の最大値が存在することを意味する。全てのオープンボールに対してリプシッツ連続であれば、局所リプシッツ連続locally Lipschitz continuousと言う。$X, Y$がユークリッド空間であれば、
$$ \left| f(x_{2}) - f(x_{1}) \right| \le K \left| x_{2} - x_{1} \right| $$
数値解析における微分方程式の解の安定性に関連する条件である。
性質
$f : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$が$K$-リプシッツ連続であれば、$f$は
- 絶対連続である。
- ほぼどこでも微分可能である。
- ほぼどこでも$\left| f^{\prime} \right| \le K$である。
微分可能な$f$がリプシッツ連続であることは、$f^{\prime}$が有界関数であることと同値である。