有限次元の線形変換の固有値と固有ベクトル
定義1
を有限次元-ベクトル空間としよう。を線形変換とする。について、 これを満たすゼロベクトルではないをの固有ベクトルeigenvectorと呼ぶ。
この時のスカラーを固有ベクトルに対応する固有値eigenvalueと呼ぶ。
説明
固有ベクトルをcharacteristic vectorやproper vectorで、固有値をcharacteristic valueやproper valueで置き換えれることもあるが、筆者は見たことがない。
固有値と固有ベクトルは、線形変換の対角化と関連がある。
定理
次元ベクトル空間上の線形変換が対角化可能であるのは、の固有ベクトルからなるの順序基底が存在する場合、かつその場合に限る。つまりが対角化可能であるのは、の固有ベクトルが個の線形独立する場合と同じである。
さらにが対角化可能であり、がの固有ベクトルの順序基底であり、である場合、は対角行列で、はに対応する固有値である。
参照
Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (第4版, 2002), p245~264 ↩︎