二項演算のヤコビ恒等式
📂抽象代数二項演算のヤコビ恒等式
定義
集合 Sと二項演算 ∗:S×S→S、可換な二項演算 +:S×S→Sに対して、次の形の式をヤコビ恒等式Jacobi identityという。
a∗(b∗c)+c∗(a∗b)+b∗(c∗a)=0,a,b,c∈S
上の式が成り立つ場合、∗がヤコビ恒等式を満たすという。
説明
変数を回転させて全部足したとき 0になる式のこと。
ベクトル積(外積) ×はヤコビ恒等式を満たす。
x×(y×z)+z×(x×y)+y×(z×x)=0
環 (R,+,⋅)で交換子 [a,b]=ab−baはヤコビ恒等式を満たす。
a∗(b∗c)+c∗(a∗b)+b∗(c∗a)=a∗(bc−cb)+c∗(ab−ba)+b∗(ca−ac)=((abc−acb)−(bca−cba))+((cab−cba)−(abc−bac))+((bca−bac)−(cab−acb))=0
二つの行列 A,B∈Mn×nの交換子 [A,B]=AB−BAはヤコビ恒等式を満たす。
ベクトル場のリー括弧 [X,Y]=XY−YXはヤコビ恒等式を満たす。