リーマン計量とリーマン多様体
📂幾何学リーマン計量とリーマン多様体
定義
n次元の微分可能多様体 Mに対するリーマン計量Riemannian metric, リーマン計量 gとは、各点p∈Mをgpに対応させる関数のことだ。ここで、gpはp上の接空間 TpMで定義される内積である。
g:Mp→{all inner products on tangent space TpM}↦gp=⟨⋅,⋅⟩p
gp:TpM×TpM(Xp,Yp)→R↦gp(Xp,Yp)=⟨Xp,Yp⟩p
この場合、gpは次の意味で微分可能でなければならない。
x:U⊂Rn→Mをpの周りの座標系とし、x(x1,…,xn)=pとする。すると、次のgij:Rn→Rが微分可能でなければならない。
gij(x1,…,xn)=⟨∂xi∂p,∂xj∂p⟩p
gijをリーマン計量の局所表現と言う。リーマン計量が与えられた微分多様体(M,g)をリーマン多様体と呼ぶ。
説明
リーマン多様体(M,g)を研究することをリーマン幾何学と呼ぶ。gをRiemannian structureとも呼ぶ。gijは微分幾何学で第1基本形式の係数と学ぶ。
Xp,Yp∈TpMとしよう。すると、TpMは基底が{∂xi∂p}のn次元ベクトル空間であるため、
Xp=Xi(p)∂xi∂p and Yp=Yj(p)∂xj∂p
だから、
gp(Xp,Yp)=⟨Xp,Yp⟩=Xi(p)Yj(p)⟨∂xi∂p,∂xj∂p⟩=Xi(p)Yj(p)gij(p)
pを一般化すると、
g(X,Y)=XiYj⟨∂xi∂,∂xj∂⟩=XiYjgij
微分可能性の条件の別の表現は次の通り。
多様体上で定義される関数g(X,Y):M→Rが微分可能である。
g(X,Y)(p)=gp(Xp,Yp),Xp,Yp∈TpM
この場合、g(X,Y)p=g(X,Y)(p)と表記されることもある。
「すべての微分可能多様体はリーマン計量を持つ」という事実が知られている。したがって、研究の方向性は、「多様体Mがリーマン計量を持つ条件」ではなく、「多様体Mにどのような良いリーマン計量を与えることができるか」となる。
誘導された計量
微分多様体M,N間のイマージョン f:M→Nが与えられたとする。(N,h)がリーマン多様体であるとする。次のように定義されるM上のリーマン計量gをfから誘導された計量と呼ぶ。
gp(v,w):=hf(p)(dfp(v),dfp(w))
この場合、dfpは点pでのfの微分である。
ユークリッド空間
微分可能多様体としてのユークリッド空間M=Rnを考えよう。すると、TpRn≈Rnであり、基底{∂x∂i}はユークリッド空間の標準基底{ei=(0,…,1,…,0)}と同じである。したがって、計量の係数は次の通りである。
gij=⟨ei,ej⟩=δij
したがって、ユークリッド空間のリーマン計量は、ユークリッド空間自体で標準的に定義される内積そのものである。(Rn,g)を研究することをユークリッド幾何学と呼ぶ。