余接空間と一階微分形式
📂幾何学余接空間と一階微分形式
概要
余接空間と微分1形式を定義する。微分多様体が難しいなら、M=Rnだと思ってもいい。
アインシュタイン表記を使う。
余接空間
Mをn次元微分多様体とする。すると、点p∈Mでの接空間TpMは、n次元ベクトル空間(関数空間)になり、基底は{ei=∂xi∂p}iである。
この時、接空間TpMの双対空間Tp∗Mを余接空間と言う。
Tp∗M:={ψ:TpM→R ∣ ψ is continuous and linear}
説明
双対空間の性質により、dimTpM=n=dimTp∗Mであり、双対基底{(dxj)p}は次のように定義される関数である。
(dxj)p:TpM→R
(dxj)p(∂xk∂p)=δjk={1,0,j=kj=k
任意のωp∈Tp∗Mは、基底{(dxj)p}に対して次のように表される。
ωp== (ap1,ap2,ap3),api∈R ap1(dx1)p+ap2(dx1)p+ap3(dx3)p
それでは、それぞれの点p∈Mをωp∈Tp∗Mにマッピングする関数ωを考えよう。
微分1次形式
微分多様体Mの上の各点p∈Mを余接空間の元ωp∈Tp∗Mにマッピングするωを1-形式と言う。
ω:Mp→T∗M↦ωp
この時T∗M=p∈M⋃Tp∗Mは余接[バンドル]と言う。
説明
1-形式は1次形式とも呼ばれ、英語ではexterior form of degree 1, field of linear form等と呼ばれる。
aiをai:M→Rでありai(p)=apiの関数だとすれば、ωpは次のように表せる。
ωp=ω(p)== (a1(p),a2(p),a3(p)) a1(p)(dx1)p+a2(p)(dx1)p+a3(p)(dx3)p
するとωは次のようになる。アインシュタイン記法を使えば、
ω=a1dx1+a2dx2+a3dx3=aidxi
この時、各aiが微分可能な関数ならば、ωを1次微分形式と言う。
Rnでの1-形式
この抽象的な話では、これの意味を理解するのは難しいだろう。微分形式は、微分積分学でdxとdyを自由に扱うことに対する理論的なバックアップを提供する。ユークリッド空間の例を見よう。関数f:Rn→Rを考える。すると、fの微分はdfp:TpRn→Tf(p)Rである。v∈TpRnとすると、
v=i∑vi∂xi∂=vi∂xi∂=(v1,…,vn)
Rの座標をyとすると、Tf(p)Rの基底は{∂y∂}で、微分にvを代入すると、
dfp(v)=[∂x1∂f⋯∂xn∂f]v1⋮vn=[vi∂xi∂f]=(vi∂xi∂f)∂y∂
今、Rnでの1-形式ωp=∂xi∂fdxiを見よう。vを代入すると、
wp(v)=∂xi∂fdxi(v)=∂xi∂fdxi(vj∂xj∂)=∂xi∂fvjδij=vi∂xi∂f
すると、この場合はどのみちRの次元が1なので、次が成り立つ。
dfp(v)=[vi∂xi∂f]=vi∂xi∂f=ωp(v)
従って、Rn上の1形式ωpとRn上で定義された関数の微分dfpが同じであることが分かる。これは微分積分学でスカラー関数の完全微分dfを次のように表したものの本質である。
df=∂x∂fdx+∂y∂fdy+∂z∂fdz
例
f(x,y)=x2+y2ならば、
df=∂x∂fdx+∂y∂fdy=2xdx+2ydy
f(x,y)=exy+3xならば、
df=(yexy+3)dx+xexydy
関連項目