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定義可能な空間の定義 📂位相データ分析

定義可能な空間の定義

定義 1 2

ホモトピー型:二つの位相空間 $X, Y$ について、次を満たす連続関数 $f : X \to Y$、$g: Y \to X$ が存在する場合、$X, Y$ は同じ ホモトピー型を持つとされ、$X, Y$ または $f, g$ は ホモトピー同値とも言われる。 $$ \begin{align*} g \circ f \simeq& \text{id}_{X} \\ f \circ g \simeq& \text{id}_{Y} \end{align*} $$ ここで、$\text{id}_{\cdot}$ は恒等関数であり、$f \simeq g$ は $f,g$ がホモトピー的であることを意味する。

位相空間 $X$ が一点のみから成る空間 $\left\{ x \right\} \subset X$ とホモトピー同値であれば 収縮可能空間とされる。

どれだけ宇宙が広くても、それが多重宇宙を考える時に何の意味があり、どれだけ質量を持つ粒子であっても一点に等しいほど小さいなら、その体積が何の意味があるのだろうか?

位相数学では、「一点に集まる」や「形を変える」という概念は非常に重要であり、収縮可能空間とは直感的に「これ以上小さくすることができない」、「一点に」、「形を変えて考えても良い」という空間と言えるだろう。

ユークリッド空間

ユークリッド空間 $\mathbb{R}^{p}$ では、どのようなパスを想像しても、それは一点へと連続的に変化することができる。つまり、コンスタントパス $c_{x}$ とホモトピーであるため、ユークリッド空間は収縮可能空間である。

$n$-ディスク

ディスク $D^{n}$ は、ユークリッド空間よりも小さいので、明らかに収縮可能である。

凸集合

ディスクほどではないまでも、凸包はユークリッド空間の部分集合として自明に収縮可能であることがわかる。

単位円は収縮不可能

一方で、単位円 $S^{1}$ は中央が開いているため、一点に収縮することができない。この事実は、特にホモトピー基本群に多くの関心を持つ概念と共に、(学部レベルを超えた)位相数学がなぜそこまで「輪」と「穴」に固執するのかと関連している。


  1. Kosniowski. (1980). A First Course in Algebraic Topology: p114. ↩︎

  2. Munkres. (1984). Elements of Algebraic Topology: p108. ↩︎