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輪および円筒シェルの慣性モーメント 📂古典力学

輪および円筒シェルの慣性モーメント

公式

半径が$a$で質量が$m$のリングの慣性モーメントは、回転軸がリングの中心を通り、

  • リングが作る平面に垂直な場合は$I=ma^{2}$である。

  • リングが作る平面と平行な場合は$I=\dfrac{1}{2}ma^{2}$である。

導出

半径が$a$で質量が$m$の薄くて均一な円形リング(または円筒型のシェル)を考えよう。回転軸がリングが作る平面に垂直である場合と、リングが作る平面と平行である場合がある。

回転軸がリングの中心を通り、リングが作る平面に垂直な場合

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慣性モーメントを求める式は$\displaystyle I=\int r^{2}dm$で、回転軸から質点までの距離は常に半径$a$で一定なので、次のようになる。

$$ I_{z}=\int a^{2}dm=a^{2}\int dm=ma^{2} $$

回転軸がリングの中心を通り、リングが作る平面と平行な場合

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垂直軸定理$I_{z}=I_{x}+I_{y}$により、$x$軸を回転軸とする場合も$y$軸を回転軸とする場合も同じ形状となるため$I_{x}=I_{y}$である。したがって、次のようになる。

$$ \begin{align*} && 2I_{x} &= I_{z}=ma^{2} \\ \implies && I_{x} &= \dfrac{1}{2}ma^{2} \end{align*} $$