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確率的増減関数と信頼区間 📂数理統計学

確率的増減関数と信頼区間

定理 1

確率的単調関数の定義

累積分布関数$F \left( t ; \theta \right)$が$\theta$に対して増加(減少)関数ならば確率的増加(減少)関数という。

連続累積分布関数のピボティング

統計量$T$が連続累積分布関数$F_{T} \left( t ; \theta \right)$を有するとする。固定された$\alpha \in (0,1)$に対して$\alpha_{1} + \alpha_{2} = \alpha$とし、$T$のサポート$\mathcal{T}$の全ての$t \in \mathcal{T}$に対して、$\theta_{L} (t)$と$\theta_{U} (t)$が

  • (1): もし$F_{T} \left( t ; \theta \right)$が確率的減少関数ならば、 $$ F_{T} \left( t ; \theta_{U}(t) \right) = \alpha_{1} \quad \& \quad F_{T} \left( t ; \theta_{L}(t) \right) = 1 - \alpha_{2} $$
  • (2): もし$F_{T} \left( t ; \theta \right)$が確率的増加関数ならば、 $$ F_{T} \left( t ; \theta_{U}(t) \right) = 1 - \alpha_{2} \quad \& \quad F_{T} \left( t ; \theta_{L}(t) \right) = \alpha_{1} $$

と定義されるとする。そうであればランダムインターバル$\left[ \theta_{L} (t) , \theta_{U} (t) \right]$は$\theta$に対する$1 - \alpha$信頼区間である。

説明

たとえば、$T \sim \exp (\theta)$、すなわち指数分布に従うとすると、その累積分布関数$F (t; \theta) = 1 - e^{t / \theta}$は全ての$t$に対して$\theta$が増加するに従って関数の値が小さくなるため、確率的減少関数であり、定理の条件(1)を満たし、簡単に$1-\alpha$信頼区間を得ることができる。

定理の名前に出てくるピボティングピボットから来た言葉である。

証明

(1)の場合のみ証明する。離散累積分布の場合に完全に同一ではないが、類似の定理がある2


$$ \left\{ t : \alpha_{1} \le F_{T} \left( t ; \theta_{0} \right) \le 1 - \alpha_{2} \right\} $$ $1-\alpha$受入域が上記のように作られたとする。$F_{T}$が確率的減少関数であり、$\alpha < 1$の定義から$1 - \alpha_{2} > \alpha_{1}$であるため、$\theta_{L}(t) < \theta_{U}(t)$が成立し、その関数値はユニークである。さらに、 $$ \begin{align*} F_{T} \left( t ; \theta \right) < \alpha_{1} \iff& \theta > \theta_{U}(t) \\ F_{T} \left( t ; \theta \right) > 1 - \alpha_{2} \iff& \theta < \theta_{L}(t) \end{align*} $$ したがって、次のことが得られる。 $$ \left\{ t : \alpha_{1} \le F_{T} \left( t ; \theta_{0} \right) \le 1 - \alpha_{2} \right\} = \left\{ \theta : \theta_{L}(t) \le \theta \le \theta_{U}(t) \right\} $$


  1. Casella. (2001). Statistical Inference(2nd Edition): p432. ↩︎

  2. Casella. (2001). Statistical Inference(2nd Edition): p434. ↩︎