7と13の倍数判定法の証明
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このポストでは、基数に関する便宜のために、次のような表記を使っている。
[anan−1…a1a0]:=an⋅10n+an−1⋅10n−1+…+a1⋅101+a0⋅100
例として、5714は以下のように表せる。
[5714]==5000+700+10+45⋅103+7⋅102+1⋅101+4⋅100
定理
anan−1an−2−an−3an−4an−5+…+a5a4a3−a2a1a0
これが7の倍数なら、[anan−1…a1a0]も7の倍数で、
anan−1an−2−an−3an−4an−5+…+a5a4a3−a2a1a0
これが13の倍数なら、[anan−1…a1a0]も13の倍数だ。
説明
これがどういう意味かというと、各桁の数を3つずつグループにして、交代で足したり引いたりした数が7の倍数なら、元の数も7の倍数だってことだ。例を見て理解してみよう。
例えば、745444を見れば、判定法によって
745−444=7⋅301
で7の倍数だけど、実際に745444は745444=7⋅106492で7の倍数だ。もっと大きな数の11794545を見ても、上の判定法はまだしっかりと当てはまってて、
−11+794−545=238=7⋅34
は7の倍数で、実際には11794545も11794545=7⋅1684935で7の倍数だ。
この定理は13の場合にも成立して、実は11の場合にも成立する。その理由は7の倍数判定法と11の倍数判定法と13の倍数判定法が全部同じ証明から出てくるからだ。数字を変えただけで完全に同じ証明なので、11の場合と13の場合は省略するよ。
証明
ストラテジー:証明自体はとても基本的なテクニックのみを使っているが、本質的に長くてアイデアも必要だから簡単ではない。キーとなるアイデアは、1001と999999が7の倍数であるという事実を使うことだ。
103+1=1000+1=1001=7⋅143(103+1)(103−1)=106−1=1000000−1=999999=7⋅142857
==[anan−1…a1a0][anan−1an−2]10n−2+[an−3an−4an−5]10n−5+…+[a5a4a3]103+[a2a1a0]([anan−1an−2]103+[an−3an−4an−5])10n−5+…+([a5a4a3]103+[a2a1a0])
括弧で囲み部分だけを見れば、
([anan−1an−2]103+[an−3an−4an−5])=[anan−1an−2]103+([anan−1an−2]−[anan−1an−2])+[an−3an−4an−5]=([anan−1an−2]103+[anan−1an−2])−([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])=[anan−1an−2]1001−([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])=[anan−1an−2]7⋅143−([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])
つまり、
([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])
これが7の倍数なら、
[anan−1an−2an−3an−4an−5]
も7の倍数だ。
さて、一般化してみよう。
([anan−1an−2]103+[an−3an−4an−5])10n−5=[anan−1an−2]7⋅143⋅10n−5−([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])10n−5
ここで、[anan−1an−2]7⋅143⋅10n−5のような項を全部7でグループ化して、cとして表せば、
=[anan−1…a1a0]7c+([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])10n−5+…+([a5a4a3]−[a2a1a0])
cが何であれ、7cは確実に7の倍数なので、ここで後半部分が7の倍数なら証明は完了する。そして、ここで999999の性質が使われる。
A106=A106−A+A=(106−1)A+A=999999A+A=7⋅142857A+A=7c+A
上の式が成り立つので、10の累乗は、7で割り切れる定数項を出し、次数を6ずつ減らしていける。
=[anan−1…a1a0]7c+([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])10n−5+…+([a5a4a3]−[a2a1a0])
上の式では、n−5,n−11,…,0はすべて6の倍数なので、
=[anan−1…a1a0]7c+([anan−1an−2]−[an−3an−4an−5])+…+([a5a4a3]−[a2a1a0])
従って、
[anan−1an−2]−[an−3an−4an−5]+…+[a5a4a3]−[a2a1a0]
これが7の倍数なら、[anan−1…a1a0]も7の倍数だ。
1001=7⋅143=7⋅11⋅13という点を考えると、11であれ13であれ、証明はもう終わっているも同然だ。
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