バーンスタイン分布:対の独立は相互独立を意味しない
定義
$(x,y,z) \in \left\{ (1,0,0), (0,1,0), (0,0,1), (1,1,1) \right\}$ に対して、以下の確率質量関数を持つ分布を バーンスタイン分布bernstein distributionという。 $$ p(x,y,z) = {{1} \over {4} } $$
説明
バーンスタイン分布は、分布の条件をすべて満たしているけど、自然界に実際に存在する分布とは言い難い。‘ペアで独立ならば、相互に独立である’という命題の反例として提出されたもので、それ以外には特に意味はない。ただ、反例としては非常に直感的で、事実を覚えるのに大きな助けになる。
反証
一つの確率変数に対する周辺確率密度関数は以下の通りである。 $$ f_{X} (0) = f_{Y} (0) = f_{Z} (0) = {{1} \over {2}} \\ f_{X} (1) = f_{Y} (1) = f_{Z} (1) = {{1} \over {2}} $$ 二つの確率変数に対する周辺確率密度関数は以下の通りである。 $$ f_{X,Y} (0,0) = f_{X,Y} (1,0) = f_{X,Y} (0,1) = f_{X,Y} (0,1) = {{1} \over {4}} \\ f_{Y,Z} (0,0) = f_{Y,Z} (1,0) = f_{Y,Z} (0,1) = f_{Y,Z} (0,1) = {{1} \over {4}} \\ f_{X,Z} (0,0) = f_{X,Z} (1,0) = f_{X,Z} (0,1) = f_{X,Z} (0,1) = {{1} \over {4}} $$ 従って、$X,Y$ と $Y,Z$ と $X,Z$ は独立であり、$X,Y,Z$ はペアで独立です。しかし、 $$ {{1} \over {4}} = f_{X,Y,Z} (1,1,1) \ne f_{X} (1) f_{Y} (1) f_{Z} (1) = {{1} \over {8}} $$ なので、$X,Y,Z$ は相互に独立ではない。
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