logo

二項分布から近似される正規分布の分散安定化 📂確率分布論

二項分布から近似される正規分布の分散安定化

例示 1

Y=YnY = Y_{n}二項分布Bin(n,p)\text{Bin} (n,p)に従うとすれば、 arcsinYnDN(arcsinp,n/4) \arcsin \sqrt{ {{ Y } \over { n }} } \overset{D}{\to} N \left( \arcsin \sqrt{p} , n/4 \right)


  • N(μ,σ2)N \left( \mu , \sigma^{2} \right)正規分布を意味する。
  • D\overset{D}{\to}分布収束を意味する。

説明

二項分布Bin(n,p)\text{Bin} (n, p )nn \to \inftyの時、正規分布N(np,np(1p))N \left( np, np(1-p) \right)に収束するため、正規分布そのものに驚くべきものはない。しかし、このような変換をすることで、パラメーターppに関わらず一定の極限分布を得ることができる。これは、数式上のトリックであり、実際にどこで使われるかというよりも、大学1年生以降見ないと思っていたアークサインの微分法が使われる点が面白い。

Y/nY/nuuを適用したu(Y/n)u ( Y/n )の分散がppに自由だと仮定しよう。十分に大きなnnに対して、Y/npY/n \approx pなので、 テイラー展開すると、 u(Yn)u(p)+(Ynp)u(p) u \left( {{ Y } \over { n }} \right) \approx u (p) + \left( {{ Y } \over { n }} - p \right) u ' (p)

両辺に期待値を取ると、u(Y/n)u (Y/n)の平均はu(p)u (p)となり、分散はその性質によってVar(aX+b)=a2Var(X)\Var (aX + b) = a^{2} \Var (X)となる、 [u(p)]2p(1p)n \left[ u ' (p) \right]^{2} {{ p ( 1 - p ) } \over { n }}

この分散がppに自由になるには、分子にあるp(1p)p ( 1 - p)と相殺するようにu(p)u ' (p)の二乗を設定すればよい。したがって、ある定数ccに対して u(p)=du(p)dp=cp(1p) u ‘(p) = {{ du(p) } \over { dp }} = {{ c } \over { \sqrt{ p ( 1 - p )} }} と設定すると、u(p)u(p)の分散からppが消える。この微分方程式の解は、アークサイン関数の微分法で直接求めることができる。

逆三角関数の微分法(arcsinx)=11x2 \left( \arcsin x \right)' = {{ 1 } \over { \sqrt{1-x^{2}} }}

微分方程式の解は次の通りであり、分母が少し違って見えるかもしれないが、検算してみるとp\sqrt{p}の微分のために正確に一致する。 u(p)=2carcsinp u (p) = 2c \arcsin \sqrt{p} ccが何であれ、同じように微分方程式を立て、解くことができるため、何であっても関係ないが、見た目がきれいになるようにc=1/2c = 1/2とすると、例示で紹介した形になる。


  1. Hogg et al. (2013). Introduction to Mathematical Statistcs(7th Edition): p318. ↩︎