運動量の期待値が常に実数であることを証明
📂量子力学運動量の期待値が常に実数であることを証明
要約
運動量演算子の期待値 ⟨p⟩ は常に実数だ。
説明
実際、運動量演算子だけでなく全てのエルミート演算子の固有値は常に実数だ。
証明
運動量の期待値は以下の通りだ。
⟨p⟩=∫ψ∗(iℏ∂x∂)ψdx
さらに、運動量の期待値の複素共役は以下の通りだ。⟨p⟩∗=∫ψ(−iℏ∂x∂)ψ∗dxこの二つの値を引いて0になれば証明終了。
⟨p⟩−⟨p⟩∗=iℏ∫(ψ∗∂x∂ψ+ψ∂x∂ψ∗)dx=iℏ∫∂x∂(ψ∗ψ)dx=iℏ[ψ∗ψ]−∞+∞=0
最後の等号は波動関数が ψ(±∞)=0 を満たさなければならないため成り立つ。
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