B-スプラインの正則性
定理1
$m=2,3,\dots$に対して、B-スプライン $N_{m}$は以下の性質を持つ。
(a) $N_{m}\in C^{m-2}(\mathbb{R})$
(b) $k\in \mathbb{Z}$において、各区間 $[k,k+1]$で、$N_{m}$は最大でも$m-1$の次数の多項式である。
$$ N_{m}(x) = \frac{1}{(m-1)!}\sum \limits_{j=0}^{m} \left( -1 \right)^{j}\binom{m}{j}\left( x-j \right)_{+}^{m-1},\quad x\in \mathbb{R} $$
この時
$$ f(x)_{+}:=\max \left( 0,f(x) \right) \quad \& \quad f(x)_{+}^{n}:=\left( f(x)_{+} \right)^{n} $$
補助定理
$m=2,3,\cdots$に対して、$x_{+}^{m-1}$は$m-2$回まで微分可能で、$m-2$回目の導関数は連続である。
証明
$m=2$に対して、
$$ x_{+}^{1}=\max(0,x)=\begin{cases} 0 & \text{if}\ x\le0 \\ x & \text{if}\ x\ge0 \end{cases} $$
であるため、全ての点で連続であり、$x=0$を除いて微分可能である。$m=3$に対して、
$$ x_{+}^{2}=\left( \max(0,x) \right)^{2}=\begin{cases} 0 & \text{if}\ x\le0 \\ x^{2} & \text{if}\ x\ge0 \end{cases} $$
であるため、全ての点で一度微分可能である。導関数は$2x_{+}^{1}$であるため、全ての点で連続であり、$x=0$を除く所で微分可能である。
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証明
(a)
B-スプラインの明示的な式により、$N_{m}$は$x_{+}^{m-1}$の平行移動の線形結合であることがわかる。従って、下の補助定理により、$N_{m}$は$m-2$回微分可能で、各導関数は連続である。
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(b)
各$j=0,1,\dots,m$に対して、以下の式が成立する。
$$ (x-j)_{+}^{m-1}=\left( \max \left( 0,x-j \right) \right)^{m-1}=\begin{cases} 0 &\text{if}\ x\le j \\ (x-j)^{m-1}& \text{if}\ x>j \end{cases} $$
$N_{m}$はこのような関数の線形結合であるため、自明に成立する。
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Ole Christensen, Functions, Spaces, and Expansions: Mathematical Tools in Physics and Engineering (2010), p208 ↩︎