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解析学における微分積分学の基本定理2 📂解析学

解析学における微分積分学の基本定理2

定理1

関数 $f$が区間 $[a,b]$でリーマン積分可能であり、$F^{\prime}=f$を満たす$[a,b]$で微分可能な関数 $F$が存在するとする。その場合、以下が成り立つ。

$$ \int_{a}^{b} f(x) dx= F(b)-F(a) $$

解説

この定理は、微分積分学の基本定理2としてよく知られている。FTC2Funcamental Theorem of Calculus1と略されることが多い。$f$の定積分は、不定積分である$F$の両端の値の差で表されることを意味する。

証明

$\varepsilon >0$が与えられたとする。すると$f$は$[a,b]$で積分可能であるので、必要十分条件により、以下を満たす区間$[a,b]$の分割 $P=\left\{a= x_{0}, \cdots, x_{n}=b \right\}$が存在する。

$$ U(P,f)-L(P,f) < \varepsilon $$

$F$が微分可能であると仮定すると、連続である。そのため、平均値の定理により、以下を満たす $t_{i}\in [x_{i-1},x_{i}]$が存在する。

$$ F(x_{i})-F(x_{i-1})=f(t_{i})\Delta x_{i},\quad (i=1,\dots,n) $$

上の式を全ての $i$について加えると、以下のようになる。

$$ \begin{align*} \sum \limits _{i=1} ^{n} f(t_{i})\Delta x_{i}&=\left( F(b)-F(x_{n-1}) \right)+\cdots+\left( F(x_{1})-F(a) \right) \\ &= F(b) -F(a) \end{align*} $$

補助定理

$$ \left| \sum \limits_{i=1} ^{n} f(t_{i})\Delta \alpha_{i} - \int _{a} ^{b}f (x)d\alpha (x) \right| < \varepsilon $$

上の補助定理により、以下が成立する。

$$ \begin{align*} \left| \sum \limits _{i=1} ^{n} f(t_{i})\Delta \alpha_{i} - \int _{a} ^{b}f (x)d\alpha (x) \right| &= \left|\big( F(b)-F(a) \big) - \int _{a} ^{b}f (x)d\alpha (x) \right| \\ &< \varepsilon \end{align*} $$

ここで、$\varepsilon$は任意の正数であるので、以下を得る。

$$ \int _{a} ^{b}f (x)d\alpha (x)=F(b)-F(a) $$

参照


  1. Walter Rudin, Principles of Mathmatical Analysis (3rd Edition, 1976), p134 ↩︎