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シュワルツ空間とシュワルツ関数 📂シュワルツ超函数

シュワルツ空間とシュワルツ関数

定義

以下の二つの条件を満たす関数ϕ:RnC\phi : \mathbb{R}^{n} \to \mathbb{C}の集合をシュワルツ空間Schwartz spaceと呼び、S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})で表す。シュワルツ空間の元ϕ\phiシュワルツ関数Schwartz functionという。

  • (a) ϕ\phi \in CC^{\infty}

  • (b) すべての多重指数α\alpha, β\betaに対してxβDαϕ(x)<\left| \mathbf{x}^{\beta}D^{\alpha}\phi (\mathbf{x}) \right| <\inftyが成り立つ。この時、β=(β1,β2,,βn)\beta=(\beta_{1}, \beta_{2},\dots,\beta_{n})に対して

    xβ=x1β1x2β2xnβn \mathbf{x}^{\beta}=x_{1}^{\beta_{1}}x_{2}^{\beta_{2}}\dots x_{n}^{\beta_{n}}


(b) を再記述すると、次のようになる。

xβDαϕ(x)0 as x±α,β \mathbf{x}^{ \beta}D^{\alpha}\phi (\mathbf{x})\to 0 \text{ as } \left| \mathbf{x} \right|\to \pm \infty \quad \forall \alpha, \beta

説明

超関数掛け算微分等の様々な操作をテスト関数に適応することで定義した。そうすると、このような意味で超関数のフーリエ変換を下記のように定義しようとする試みができる。

T^(ϕ):=T(ϕ^) \widehat{T^{}}(\phi):=T \big( \hat{\phi} \big)

しかし、ϕ\phiがテスト関数だとしても、コンパクトサポートを持たないため、テスト関数ではなくなる可能性がある。そのため、超関数のフーリエ変換がうまく定義できない。そこで、フーリエ変換がうまく定義できるようにテスト関数空間を拡張して新たに定義した空間がシュワルツ空間である。

(a) を見ると、テスト関数の条件と異なり、コンパクトサポートを持つ必要がないという条件がない。これが**(b)** という条件が加えられた理由である。テスト関数は強い条件であるコンパクトサポートを持つため、関数の形に制限を設ける必要がなかった。これに対してシュワルツ関数はコンパクトサポートを持つ必要がないため、数直線の端での関数の値が任意の多項式よりも速く減少するような条件、つまり**(b)** が必要なのである。実際に、テスト関数空間がシュワルツ関数空間の真部分集合であることを示して、うまく拡張されたことがわかる。

D(Rn)S(Rn) \mathcal{D}(\mathbb{R}^{n}) \subsetneq \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})

性質1

ϕ,ψS(Rn)\phi, \psi \in \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})としよう。

  • S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})ベクトル空間である。
  • S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})は乗算に対して閉じている。 ψϕS(Rn) \psi \phi \in \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})
  • S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})は多項式PPとの乗算に対して閉じている。 PϕS(Rn) P\phi \in \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})
  • S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})は微分に対して閉じている。 ϕS(Rn) \phi^{\prime} \in \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})
  • S(Rn)\mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})は平行移動と、複素指数関数との乗算に対して不変である。 ϕ(x+y),ϕ(x)eiξxS(Rn) \phi (x+y), \phi (x)e^{i\xi \cdot x} \in \mathcal{S}(\mathbb{R}^{n})
  • シュワルツ関数は積分可能である。 Rnϕ(x)dx< \int\limits_{\mathbb{R}^{n}} \left| \phi (x) \right| dx \lt \infty

  1. Robert Strichartz, A Guide to Distribution Theory and Fourier Transforms (1994), p30 ↩︎