logo

距離空間における相対的に開かれた集合 📂距離空間

距離空間における相対的に開かれた集合

説明

2つの距離空間YXY\subset Xがあるとしよう。そして、部分集合EYXE \subset Y \subset Xが与えられたとしよう。もしEEが全体空間XXに対して開いているならば、内点と開かれた定義によって、YYを全体空間としてもEEは開集合である。全体集合が小さくなる状況なので、pEp\in Eの近傍NEN\subset Eがより大きくなることはないからだ。しかし逆に、EEが全体空間YYに対して開いているという事実がEEXXでも開かれていることを保証しない。つまり、開いているというのは絶対的な性質ではなく、全体集合が何かによって決まる相対的な概念であるということだ。下記の例を見てみよう。

  • E=(a,b)E=(a,b)Y=RY=\mathbb{R}X=R2X=\mathbb{R}^{2}

    定義によって、(a,b)(a,b)は全体空間R\mathbb{R}に対して開いている。しかし、全体空間をR2\mathbb{R}^{2}に拡張すると、もはや開集合ではなくなる。どんなp(a,b)p \in (a,b)に対しても、N(a,b)N\subset (a,b)を満たすppの近傍NNが存在しないからだ。

  • E=[0,1)E=[0,1)Y=[0,)Y=[0,\infty)X=RX=\mathbb{R}

    例1と同様に、[0,1)[0,1)は全体空間[0,)[0,\infty)に対して開集合である。しかし、全体空間をR\mathbb{R}に拡張すると、[0,1)[0,1)はもはや開集合ではない。

そのため、開かれている意味を明確にする際には、相対的に開かれているという表現を使う。

定義

2つの距離空間XXYYに対して、EYXE\subset Y \subset Xとしよう。全てのpEp \in Eに対して、下記の条件を満たす定数r>0r>0が存在する場合、EEYYに対して相対的に開集合であると言う。

d(p,q)<randqY    qE \begin{equation} d(p,q)<r \quad \text{and} \quad q\in Y \implies q\in E \label{definition} \end{equation}


上記の式は、開かれたものを新たに定義したわけではなく、「全体空間をYYとした場合にEEが開かれていれば」ということを式で表したものに過ぎない。別の言い方をすれば、「YYにある要素だけでEEに含まれるpEp \in Eの近傍を作ることができる」ということだ。これに関する定理を紹介する。

定理

2つの距離空間XXYYが与えられたとしよう。そしてEYXE \subset Y \subset Xとしよう。それでは、下記の2つの命題は同値である。

(a) EEYYに対して相対的に開いている。

(b) XXのある開集合OXO_{X}に対してE=YOXE=Y \cap O_{X}が成立する。


これは、全体空間を減らす状況で有用に使われる。例えば、全体空間X=RX=\mathbb{R}(a,a)(-a,a)のようなオープンセットを扱っていたが、空間をY=[0,)Y=[0,\infty)に縮小する状況を考えてみよう。すると、(a,a)⊄Y(-a,a)\not \subset Yであるため、元々使っていたオープンセットをYYで扱うことはできない。この時、上記の定理により簡単に[0,a)=Y(a,a)[0,a)=Y\cap (-a,a)のようにYYでオープンセットを取り上げることができる。

証明

位相空間における証明

  • (a) \Longrightarrow (b)

    仮定によって、全てのpEp \in Eに対して、下記の条件を満たす正数rp>0r_{p}>0が存在する。

    d(p,q)<rpandqY    qE d(p,q) <r_{p} \quad \text{and} \quad q\in Y \implies q \in E

    今、d(p,q)<rpd(p,q)<r_{p}であるqXq\in Xたちの集合をOX,pO_{X,p}と呼ぼう。それでは、OX,pO_{X,p}ppXXにおける近傍となる。近傍は開集合であるため1OX,pO_{X,p}XXにおいて開集合であり、開集合の合併は開集合であるため

    OX=pEOX,p O_{X}=\bigcup \limits_{p \in E}O_{X,p}

    XXにおいて開集合である。この時、全てのpEYp \in E\subset Yに対して、pOX,pp \in O_{X,p}は自明である。従って、次のことが成立する。

    EYOX,p \begin{equation} E\subset Y\cap O_{X,p} \label{eq1} \end{equation}

    一方で、OX,pO_{X,p}を取り上げた方法によって、次のことが成立する。

    OX,pYE \begin{equation} O_{X,p}\cap Y \subset E \label{eq2} \end{equation}

    従って、(eq1)\eqref{eq1}(eq2)\eqref{eq2}によって、

    E=YOX,p E=Y\cap O_{X,p}

    そして、OX,pO_{X,p}XXにおいて開集合であるため、(a) \Longrightarrow (b) が成立する。

  • (a) \Longleftarrow (b)

    OXO_{X}XXにおいて開集合であり、E=YOXE=Y\cap O_{X}としよう。すると、全てのpEp\in Eは、NOXN\subset O_{X}を満たす近傍を持つ。また、集合の包含関係により、次のことが成立する。

    YNE Y\cap N \subset E

    これは、(definition)\eqref{definition}とまったく同じ意味の式なので、EEYYにおいて開集合である。


  1. 定理1を参照 ↩︎