2次/3次/n次方程式の根と係数の関係
📂抽象代数2次/3次/n次方程式の根と係数の関係
式
二次方程式の根と係数の関係
二次方程式ax2+bx+c=0の二つの根をαとβとする。すると、以下の式が成立する。
α+β=−ab&αβ=ac
三次方程式の根と係数の関係
三次方程式ax3+bx2+cx+d=0の三つの根をα、β、γとする。すると、以下の式が成立する。
α+β+γ=−ab&αβ+βγ+γα=ac&αβγ=−ad
証明
二次方程式
二次項の係数がaで、二つの根がαとβの二次方程式は、以下のように表現される。
a(x−α)(x−β)=0
左辺を展開すると
a(x−α)(x−β)=a[x2−(α+β)x+αβ]=ax2−a(α+β)x+aαβ
したがって
b=−a(α+β)&aαβ=c
上記の式を二つの根について整理すると
α+β=−ab&αβ=ac
■
三次方程式
証明方法は二次方程式の場合と同じだ。三次項の係数がaで、三つの根がα、β、γの三次方程式は、以下のように表現される。
a(x−α)(x−β)(x−γ)=0
左辺を展開すると
a(x−α)(x−β)(x−γ)=a[x2−(α+β)x+αβ](x−γ)=a[x2−(α+β+γ)x2+(αβ+βγ+γα)x−αβγ]=ax2−a(α+β+γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x−aαβγ
したがって
b=−a(α+β+γ)&c=a(αβ+βγ+γα)&d=−aαβγ
上記の式を三つの根について整理すると
α+β+γ=−ab&αβ+βγ+γα=ac&αβγ=−ad
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四次以上の方程式の根と係数の関係
上記の二つの式より、根がα、β、γ、δである四次方程式av4+bx3+cx2+dx+e=0の根と係数の関係は以下のようになると推測でき、実際にそうである。
α+β+γ+δ=−abαβγ+βγδ+γδα+δαβ=−ac&&αβ+βγ+γδ+δα=acαβγδ=ad
もちろん、任意のn次方程式に対しても同様の方法で根と係数の関係が成立する。最高次項の係数がa, b, c, d, e, f, ⋯であれば
すべての解の和すべての「2つの解の積」の和すべての「3つの解の積」の和すべての「4つの解の積」の和すべての「5つの解の積」の和⋮=−ab=ac=−ad=ae=−af