確率論の混合定理の証明
📂確率論確率論の混合定理の証明
定理
空間Sが距離空間(S,ρ)であり、かつ可測空間(S,B(S))だとしよう。
以下は全て同値である。
- (1): Pn→WP
- (2): すべての有界で一様連続関数fに対して∫SfdPn→∫SfdP
- (3): すべての閉集合Fに対してn→∞limsupPn(F)≤P(F)
- (4): すべての開集合Gに対してP(G)≤n→∞liminfPn(G)
- (5): P(∂A)=0であるすべてのAに対してn→∞limPn(A)=P(A)
説明
Portmanteauは「様々な要素で構成された」または「ハイブリッド」という意味を持つ英単語だ。これを直接ハイブリッド定理と翻訳するのはあまりスムーズではないが、伝統的には[ポートマントー]のように読み、それだけでは意味を推測するのが難しいから仕方なくハイブリッド定理と翻訳された。ハイブリッド定理は、確率測度だけでなく有限測度μに一般化することが可能であり、測度の弱収束に対する同値条件を提供するため非常に重要な定理である。
証明
戦略:証明にあたり、以下の表記を紹介する。詳細な説明を読むことを推奨する。
- 要素x∈Sと部分集合A⊂S、そしてδ>0について
ρ(x,A):=inf{ρ(x,a):a∈A}
Aδ:={x∈S:ρ(x,A)<δ}
- ある固定されたF⊂Sについて
fδ(x):==(1−ρ(x,F)/δ)+⎩⎨⎧11−ρ(x,F)/δ0,x∈F,x∈/F∧x∈Fδ,x∈/Fδ
Part 1. (1)⟹(2)
弱収束の定義により自明である。
Part 2. (2)⟹(3)
fε(x):=(1−ρ(x,F)/ε)+
fεを上記のように定義するとfεは有界で一様連続である。また、すべてのε>0に対してIF(x)≤fε(x)≤IFε(x)が存在するので
∫SIFdPn≤∫SfεdPn≤∫IFεdPn
ここでPn(F)=∫FdPn=∫S1FdPnなので
Pn(F)≤∫SfεdPn
両辺にn→∞limsupを適用すると、fεが有界で一様連続だったので、(2)により
n→∞limsupPn(F)≤=≤n→∞limsup∫SfεdPn∫SfεdPP(Fε)
両辺にε→0limを適用すると、測度の上からの連続性に従い
n→∞limsupPn(F)=≤=ε→0limn→∞limsupPn(F)ε→0limP(Fε)P(F)
Fが閉集合である場合、F=Fなので
n→∞limsupPn(F)≤P(F)
Part 3. (3)⟺(4)
G:=Fcとすると、Gは開集合である
⟺⟺⟺⟺n→∞limsupPn(F)≤P(F)−P(F)≤−n→∞limsupPn(F)1−P(F)≤1−n→∞limsupPn(F)P(G)≤n→∞liminf[1−Pn(F)]P(G)≤n→∞liminfPn(G)
Part 4. (3),(4)⟹(5)
内部、閉包、境界について簡単に見直してみよう。
A∘⊂A⊂Aここで、内部A∘はAの最大の開部分集合であり、閉包AはAの最小の閉包含む集合である。また、Aの境界∂A=A∖A∘は当然A∘とは素である。
(3)に従って
n→∞limsupPn(A)≤n→∞limsupPn(A)≤P(A)
(4)に従って
P(A∘)≤n→∞liminfPn(A∘)≤n→∞liminfPn(A)
P(∂A)=0であるからP(A∘)=P(A)=P(A)が成り立ち、
P(A)=P(A∘)≤n→∞liminfPn(A)≤n→∞limsupPn(A)≤P(A)=P(A)
従って、
n→∞limPn(A)=P(A)
Part 5. (5)⟹(1)
g∈Cb(S)、つまりgがSで定義された有界で連続な関数だとしよう。A∈B(S)に対してνを以下のように定義しよう。
ν(A):=P(g−1(A))
gは有界だから、全てのx∈Sに対してa≤g(x)≤bを満たすa、bを選ぶことができる。ここで、
D:={α:ν({α})=0}
を考えると、
Dc={α:ν({α})>0}=n=1⋃∞{α:ν({α})>n1}
自然数n∈Nが固定されれば、{α:ν({α})>n1}はν(R)<∞であるから有限集合でなければならない。有限集合でない場合、ν({α})>n1を満たすαが無限に多いという意味で、これはν(R)<∞に反する。したがって、Dcは有限集合の可算和集合であり、結局ν({α})>0を満たすα∈[a,b]は多くても可算に多く存在する。
これで、次の3つの条件を満たすt0,⋯,tmを選べる:
- (i): a=t0<t1<⋯<tm=b
- (ii): ν({ti})=0
- (iii): ti−ti−1<ε
これに対してAi=g−1([ti−1,ti))のように設定すると、Ai∈B(S)であり、i=1⋃mAi=Sである。一方、連続関数の逆像は開閉性を保持するので、g−1((ti−1,ti))はSで開集合、g−1([ti−1,ti])はSで閉集合である。また、Aiの内部Ai∘はAiの最大の開部分集合であり、閉包AiはAiの最小の閉集合だから
g−1((ti−1,ti))⊂Ai∘⊂Ai⊂Ai⊂g−1([ti−1,ti])
一方、条件(ii)でν({ti})=0だったので、
P(Ai∘)=P(Ai)=P(Ai)
これは、P(∂Ai)=0であるため、仮定(5)によれば、n→∞limPn(Ai)=P(Ai)である。
h(x):=i=1∑mti−11Ai(x)
今、新たな関数hを上記のように定義しよう。hはm個の有限な関数値を持つ単純関数となり、条件**(iii)からh(x)≤g(x)≤h(x)+εであることがわかる。
$$
\begin{align}
\left| P_{n}(g) - P(g) \right| =& \left| \int_{S} g dP_{n} - \int_{S} g dP \right|
\\ =& \left| \int_{S} (g-h) dP_{n} + \int_{S} h dP_{n} - \int_{S} h dP + \int_{S} (h-g) dP \right|
\\ \le & \left| \int_{S} (g-h) dP_{n} \right| + \left| \int_{S} h dP_{n} - \int_{S} h dP \right| + \left| \int_{S} (h-g) dP \right|
\\ \le & \varepsilon + \left| \sum_{i=1}^{m} t_{i-1} \int_{S} 1_{A_{i}} P_{n} - \sum_{i=1}^{m} t_{i-1} \int_{S} 1_{A_{i}} P \right| + \varepsilon
\\ \le & 2 \varepsilon + \left| \sum_{i=1}^{m} t_{i-1} \left[ P_{n}(A_{i}) - P(A_{i}) \right] \right|
\end{align}
$$
一方、$\displaystyle \lim_{n\to\infty} P_{n}(A_{i}) = P(A_{i})$だから、$n \to \infty$のとき$P_{n}(g) \to P(g)$である。$g$は有界で連続だから、弱収束の定義に従って$P_{n} \overset{W}{\to} P$である。
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