冪集合公理
公理 1
$$ \forall X \exists P \forall A ( A \subset X \implies A \in P) $$ 任意の集合 $X$ に対し、$X$ のすべての部分集合を元に持つ集合 $P$ が存在する。
説明
$X$ の冪集合は一般的に $\mathcal{P} (X)$ と表記されたり、$2^{X}$ と書かれるが、それは有限集合 $X$ の要素の数を $|X|$ としたとき、$\left| \mathcal{P} (X) \right| =2^{|X|}$ であるからだ。必ずしも数が重要なわけではないから、集合論を多く使用するほど、$2^{X}$ のような表現を好む。
要素の数が指数関数的に増加することからある程度推測できるが、冪集合 $2^{X}$ というのは $X$ と比較した時にかなり、非常に大きい。また、冪集合の公理により、冪集合の冪集合も存在するので、このようにして大きさを増していく集合をどんなにでも考えることができる。
冪集合の例として、次のものを考えてみよう:
$$ X = \left\{ 1,2 \right\} $$
$$ 2^{X} = \left\{ \emptyset , \left\{ 1 \right\} , \left\{ 2 \right\}, \left\{ 1,2 \right\} \right\} $$ ここで、空集合 $\emptyset$ と元の集合 $X$ が $2^{X}$ に属していることに注目されたい。以下はいくつかの冪集合の基本的な性質だ。最初は不自然に感じられるかもしれないが、空集合もしっかりとした集合であり、集合が集合の元になりうるので、自然に受け入れるべきである。
基礎性質
- [1]: $A \subset X \iff A \in 2^{X}$
- [2]: $\emptyset \in 2^{X}$
- [3]: $X \in 2^{X}$
集合の包含関係の概念が不十分なら、当然混乱するだろう。残念ながら、集合論を初めて触れるとき、冪集合はあまり多く使われず、慣れるための良い練習問題も特にない。現実的には、時間が解決策だと思い、ゆっくりと慣れていくしかない。
이흥천 역, You-Feng Lin. (2011). 집합론(Set Theory: An Intuitive Approach): p83. ↩︎