任意の関数の絶対値を二つの非負の関数として表現する方法
定理
基本
関数 $f : X \to \mathbb{R}$ の絶対値 $|f|$ は $f$ の正の部分 $f^{+}$ と負の部分 $f^{-}$ に関して以下のように表される。 $$ |f| = f^{+} + f^{-} $$
高度
関数 $g : X \to \mathbb{R}$ はほぼどこでも $g \ge 0$ だとしよう。
- [1] 絶対値の内側: $$ f^{+} = |f^{+}| \\ f^{-} = |f^{-}| \\ |f| = |f^{+}| + |f^{-}| $$
- [2] 絶対値の外側: $$ |f|^{-} = 0 \\ |f|^{+} = |f| \\ |f| = |f|^{+} + |f|^{-} $$
- [3] 符号の出入り: $$ |f^{+}| + |f^{-}| = |f|^{+} + |f|^{-} \\ |g^{-}| = |g|^{-} = 0 \qquad \text{ a.e.} \\ |g^{+}| = |g|^{+} = g \qquad \text{ a.e.} $$
説明
関数の絶対値の表現は、正の部分と負の部分の定義に基づいて直接導出され、特に実解析で使われることが多い。これらの有用な性質を自由自在に使えるようになろう。
絶対値の内外、符号の出入りなどは見やすく理解しやすいように付けられた言葉に過ぎず、正式な命名は別にない。これらの性質もまた、正の部分と負の部分、絶対値の定義に基づいて上から下へと直接証明される。