非線形一階偏微分方程式の表記法
表記法1
非線形1次偏微分方程式は次のように表記される。
$$ \begin{equation} F(Du, u, x) = F(p, z, x) = 0 \label{eq1} \end{equation} $$
- $\Omega \subset \mathbb{R}^{n}$は開集合
- $x\in \Omega$
- $F : \mathbb{R}^n \times \mathbb{R}^n \times \bar{ \Omega } \to \mathbb{R}$は与えられた関数
- $u : \bar{ \Omega } \to \mathbb{R}$は $F$の変数だ
説明
非線形1次偏微分方程式 $F$を解くとは、与えられた$F$に対して$F=0$を満たす変数$u$を見つけることだ。この時$x$は時間と空間を両方含む変数だとしよう。
$$ x=(x_{1}, \dots, x_{n}=t) $$
この関数$F$は次のように表記される。
$$ F=F(p, z, x)=F(p_{1}, \dots, p_{n}, z, x_{1}, \cdots, x_{n}) $$
- $p=Du(x) \in\mathbb{R}^n$
- $z=u(x)\in \mathbb{R}$
- $x\in \bar{ \Omega }$
そして関数$F$は十分に滑らかであり偏微分可能と仮定する。一般的にそうだから特に強い条件ではない。それで、各変数に対する$F$の勾配は次のようになる。
$$ \begin{cases} D_{p} F=(F_{p_{1}},\ \cdots,\ F_{p_{n}}) \\ D_{z}F=Fz \\ D_{x}F=(F_{x_{1}},\ \cdots,\ F_{x_{n}} )\end{cases} $$
クレロの方程式をこの表記法で示すと次のようになる。
$$ F(Du,\ u,\ x)=xDu+f(Du) $$
境界値問題
よく微分方程式$\eqref{eq1}$は境界条件と一緒に与えられる。その場合には次のように表記される。
$$ \begin{align*} F(Du,\ u,\ x)&=0 && \text{in } \mathbb{\Omega} \\ u&=g && \text{on } \Gamma \end{align*} $$ この時、$\Gamma \subset \partial \Omega, g : \Gamma \to \mathbb{R}$だ。
Lawrence C. Evans, Partial Differential Equations (2nd Edition, 2010), p91-92 ↩︎