複素解析における三角関数と指数関数の関係
概要 1
複素関数としてのサイン、コサイン関数 $\sin , \cos : \mathbb{C} \to \mathbb{C}$ は次のようである。 $$ \sin z = { {e^{iz} - e^{-iz}} \over 2 i } \\ \cos z = { {e^{iz} + e^{-iz}} \over 2 } $$
説明
実際には定理というよりも、定義と考えてもいい。このように定義した場合、既に明らかにされている定理との矛盾がないことを示すためである。証明も、オイラーの公式を既に知られていた内容を三角関数に適用して整理したものにすぎない。
証明
オイラーの公式 $\displaystyle { e }^{ ix }= \cos x + i \sin x$ により、 $$ \begin{cases} { e }^{ iz }= \cos z + i \sin z \\ { e }^{ -iz }= \cos z - i \sin z \end{cases} $$ これらを三角関数に対して整理すると、 $$ \sin z = { {e^{iz} - e^{-iz}} \over 2 i } \\ \cos z = { {e^{iz} + e^{-iz}} \over 2 } $$
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Osborne (1999). Complex variables and their applications: p28. ↩︎