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ハウスドルフ空間では、数列の極限は一意である 📂位相幾何学

ハウスドルフ空間では、数列の極限は一意である

定理

$T_{2}$-空間の$X$上の数列$\left\{ x_{n} \right\}$は、二つ以上の異なる点に収束しない。

説明

極限の一意性の重要性について、わざわざ逆説的に強調する必要があるだろうか。こんな性質があるというのは、ハウスドルフ空間が有用であるという証拠になる。

注意すべきことは、「ただ一つの点に収束する」と表現するのとは少し違うということだ。その表現を使いたいのであれば、「数列が収束するならば、ただ一つの点に収束する」と言い換えなければならない。

証明

$\left\{ x_{n} \right\}$が異なる二点$a,b \in X$に収束すると仮定しよう。

$X$は$T_{2}$-空間なので $$ a \in U \\ b \in V \\ U \cap V = \emptyset $$ を満たす開集合$U, V \subset X$が存在する。そうすると $$ n \ge n_{1} \implies x_{n} \in U \\ n \ge n_{2} \implies x_{n} \in V $$ を満たす$n_{1} , n_{2} \in \mathbb{N}$が存在する。しかし $$ n \ge \max \left\{ n_{1} , n_{2} \right\} \implies x_{n} \in U \cap V = \emptyset $$ であるため、これは矛盾である。