測地線の一意性定理
📂幾何学測地線の一意性定理
定理
点pを曲面M上の点としよう。X∈TpMを点pでの接ベクトルの単位ベクトルとしよう。すると、以下の初期値条件を満たす測地線γ:(−ϵ,ϵ)→Mが唯一存在する。
γ(0)=pandγ′(0)=X
解説
この定理は、少なくとも局所的には、曲面上の二点を結ぶ最短距離の直線が存在すると言っている。
全域的な領域では、最短距離の測地線の存在を保証することはできない。簡単な例として、原点を含まない単位円を考えてみよう。すると、以下の図のように、点aからbへの最短距離の直線は存在しないとわかる。

証明
戦略: 微分幾何学において、存在性と一意性に関する定理はほとんどが常微分方程式(ODE)システムの解の存在を示すピカールの定理によって証明される。
xを点pに対してp=x(0,0)を満たす座標チャート写像としよう。(u1,u2)はx:U→MからUへの座標である。X=i∑Xixiを接ベクトルとしよう。γ(s)=x(γ1(s),γ2(s))としよう。これで、以下のようなODEシステムの初期値問題を考えよう。
(γk)′′=γi(s0)=(γi)′(s0)= −i,j∑Γijk(γi)′(γj)′ 0 Xi
すると、ピカールの定理により、s0のある近傍でこのODEシステムの解が唯一存在する。単位速度曲線γが(1)を満たすことが測地線であるための必要十分条件なので、今、このようなγが単位速度であるかだけをチェックすればよい。
f(s)=∣γ′(s)∣2=i,j∑gij(γi)′(s)(γj)′(s)としよう。証明を終えるために、f(s)=1であることを示せばよい。連鎖律により、dsdgij=k∑∂uk∂gij(γk)′であるので、
f′(s)=i,j,k∑∂uk∂gij(γk)′(γi)′(γj)′+i,j∑gij(γi)′′(γj)′+i,j∑gij(γi)′(γj)′′
この時、∂uk∂gij=∂uk∂⟨xi,xj⟩=⟨xik,xj⟩+⟨xi,xjk⟩であり、⟨xik,xj⟩=l∑Γiklgljが成立するので、一つ目の項に代入すると以下を得る。
f′(s)= i,j,k,l∑gliΓjkl(γk)′(γi)′(γj)′+i,j,k,l∑gljΓikl(γk)′(γi)′(γj)′+i,j∑gij(γi)′′(γj)′+i,j∑gij(γi)′(γj)′′
三つ目、四つ目の項のダミーインデックスを交換して整理すると以下を得る。
f′(s)== i,j,k,l∑gliΓjkl(γk)′(γi)′(γj)′+i,j,k,l∑gljΓikl(γk)′(γi)′(γj)′+l,i∑gli(γl)′′(γi)′+j,l∑gjl(γj)′(γl)′′ i,j,k,l∑gli[(γl)′′+Γjkl(γk)′(γj)′](γi)′+i,j,k,l∑glj[(γl)′′+Γikl(γk)′(γi)′](γj)′
この時、各括弧内の式は、γが(1)を満たすので、0である。したがって、f′(s)=0であり、fは定数である。しかし、Xを単位ベクトルと仮定していたので、
f(s0)=∣γ′(s0)∣2=∣X∣2=1
従って、f=1であり、γは単位速度曲線である。
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