三次元ユークリッド空間における外積
📂数理物理学三次元ユークリッド空間における外積
定義

x,y∈R3 に対して**xとyの外積**cross product を定義する。
x×y===(x2y3−x3y2,x3y1−x1y3,x1y2−x2y1)detix1y1jx2y2kx3y30x3−x2−x30x1x2−x10y1y2y3
説明
ちなみにi=(1,0,0)、j=(0,1,0)、k=(0,0,1) だ。内積と同様に外積ももっと一般的な定義が可能だけど、実用的な面では通常三次元に限って考えることが多い。この三次元空間での定義はベクトル積という名前もあるけど、厳格に区別する時だけ使われる。最も使われるのは物理学で、トルクやローレンツ力などを表すときに頻繁に登場する。幾何学的な形も右ねじの法則を思い出せば簡単に想像できる。外積の性質をいくつか証明なしで紹介する。
性質
x,y,z∈R3 と k∈R に対して以下が成り立つ。
(1) x×x=0
(2) 反交換性anti commutativity: x×y=−y×x
(3) (kx)×y=k(x×y)=x×(ky)
(4) x×(y+z)=(x×y)+(x×z)
(5) スカラー三重積: (x×y)⋅z=x⋅(y×z)
(6) ベクトル三重積(bac-cab公式): x×(y×z)=(x⋅z)y−(x⋅y)z
(7) ∣∣x⋅y∣∣2=(x⋅x)(y⋅y)−(x⋅y)2
(8) ∣∣x×y∣∣=∣∣x∣∣∣∣y∣∣sinθ
(9) x×y=0 の場合、x×yはxとyに垂直である。
交換法則が成り立たないため、直感的に理解しにくい性質が多い。問題を解いたり、紙に書きながら慣れるようにしよう。