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確率過程のインクリメント 📂確率論

確率過程のインクリメント

定義

確率過程 ξ(t)\xi (t) が時間 TT で定義されて、t0<t1<<tnTt_{0} < t_{1} < \cdots < t_{n} \in T としよう。

  1. ξ(t)ξ(s)\xi ( t ) - \xi ( s )インクリメントという。
  2. すべての i=1,,ni=1, \cdots , n に対して、 ξ(ti)ξ(ti1)\xi ( t_{i} ) - \xi ( t_{i-1} ) が互いに独立しているならば、ξ(t)\xi (t)独立インクリメントを持つと言われる。
  3. すべての h>0h>0t,s,t+h,s+hTt,s,t+h,s+h \in T に対して、ξ(t+h)ξ(s+h)\xi (t+h) - \xi ( s + h ) が同じ確率分布を持っているならば、ξ(t)\xi (t)定常インクリメントを持つと言われる。

説明

インクリメントはもともと「Increase」の名詞形で、「増加」という意味を持っている。しかし、確率過程の文脈では、「大きくなる」と直接言うのは曖昧で、実際に値が増えるか減るかに関心を持つわけでもないから、「増減」という表現もあまり適切でない。ただ前の時刻と後の時刻があって、時間の値が増加するだけである。

このようなインクリメントが特定の時点に関係なく時間差にだけ変わるならば、マルコフチェーンのように扱うのが便利になるだろう。独立性と定常性は「良い確率過程」になるための必要条件であると言える。これらの条件をすべて満たすと、見ての通りiid(独立同分布)になる。特に、確率過程の定常性は、理論的には時系列分析での定常性よりも少し強い条件を満たさなければならないことを覚えておくべきである。