代数的な数と超越数
定義 1
体 $F$ の拡張体を $E$ としよう。定数関数ではない $f(x) \in F [ x ]$ について、$\alpha \in E$ が $f( \alpha ) = 0$ を満たす時、$F$ 上で代数的algebraicと言い、代数的でなければ超越的transcendentalという。$F = \mathbb{Q}$、$E = \mathbb{C}$ とする場合、$\alpha \in \mathbb{C}$ が代数的であれば代数的数、超越的であれば超越数という。
説明
例えば、多項式 $ f(x) = x^2 - 2 $ があるとして、$f(x) = 0$ を満たす有理数の解は存在しないが、$\mathbb{Q}$ から拡張された $\mathbb{R}$ では、$\sqrt{2}$ という解が存在する。しかし、$\pi$ のような数の場合には、このような方法では導くことができない。したがって、$\sqrt{2}$ と $\pi$ はどちらも無理数だが、$\sqrt{2}$ は代数的数、$\pi$ は超越数と言われる。
意外と、代数的数と超越数の概念は高校生から馴染み深いものだ。通常、高校で文系と理系を分けるのは超越関数の微積分だと言われるためだ。そこでは通常、代数的数、超越数についての説明も伴う。
高校レベルでは、整数を係数とする多項方程式の解になれるなら代数的数、そうでなければ超越数と説明される。このことを抽象代数の言葉で言うときは $F = \mathbb{Q}$、$E = \mathbb{C}$ としてきれいにまとめることができる。
Fraleigh. (2003). A first course in abstract algebra(7th Edition): p267. ↩︎