環の単位元が冪等元であれば、直和として表すことができる
📂抽象代数環の単位元が冪等元であれば、直和として表すことができる
定理
単位元 1 を持つ環 R が零因子 a で a2=a を満たす時、すなわち冪等元であるならば、R は aR と (1−a)R の唯一の直積として表されます。
R=aR×(1−a)R
説明
別に環の直和を定義しなくてもわかるほど、数学らしい魅力のある定理だ。
証明
Part (i). 存在性
r∈R について
ar∈aR(1−a)r∈(1−a)R
であり、r=ar+(1−a)r だから R=aR×(1−a)R だ。
Part (ii). 独自性
r1,r2,r3,r4∈R について
ar1=ar3=(1−a)r2=(1−a)r4=x1∈aRx2∈aRy1∈(1−a)Ry2∈(1−a)R
とし、x1=x2 と y1=y2 を示せばいい。
⟹⟹x1+y1=x2+y2ar1+(1−a)r2=ar3+(1−a)r4a2r1+a(1−a)r2=a2r3+a(1−a)r4
a2=a であり、a(1−a)=a−a2=a−a=0 だから、
x1=ar1=a2r1=a2r3=ar3=x2
同じように
ar1+(1−a)r2=ar3+(1−a)r4
であり、ar1=ar3 だから
(1−a)r2=(1−a)r4
したがって、次を得る。
y1=(1−a)r2=(1−a)r4=y2
Part (iii). 排他性
x∈aR∩(1−a)R とし、ある r1,r2∈R に対して
x=ar1=(1−a)r2
である。両辺に a を掛けると
ax=a2r1=a(1−a)r2=(a−a2)r2=0⋅r2=0
である。x=ar1=a2r1=0 だから、次を得る。
aR∩(1−a)R={0}
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参照