多項式の零点
📂抽象代数多項式の零点
定義
f(x):=k=0∑nakxk=a0+a1x+⋯+anxn
多項式関数 f∈F[x]と体 F≤Eにおいて、α∈Eの評価関数evaluation ϕα:F[x]→Eを以下のように定義する。
ϕα(f(x)):=a0+a1α+⋯+anαn=f(α)
f(α)=0を満たすα∈Eをf(x)のゼロzeroという。
説明
評価関数
事実として、ϕαは準同型写像になる。
定義があいまいに感じる場合、簡単な例ϕi:R[x]→Cを考えてみよう。例えばϕi(x2−3x+2)だとすると、単純に
f(x)=x2−3x+2
にiを代入した
i2−3i+2=1−i2∈C
になる。もちろん、R≤Cであることは問題ない。
ゼロのモチーフ
カーネルを考えると、ker(ϕα)はf(α)=0を満たす関数の集まりになる。上の例を続けると、ker(ϕi)⊂R[x]の要素は(x−i)を因数に持つ多項式関数である。
このようにf(α)=0を満たすとき、αをf(x)のゼロと呼ぶことには疑いの余地がない。同様に、ϕα(f(x))=0ならばαをf(x)のゼロと呼んでいた。
「方程式の解」という概念を厳密に定義するためわざわざ関数まで話を持ち込む理由はまさにそこにある。
f(x)=g(x)
例えば上のような方程式を考える。こんな方程式の集合を考えない理由はないが、関係を集めるよりもf(x)とg(x)自体を別々に扱う方がずっと簡単で明瞭だ。もし方程式の集合Xが上のような方程式の集まりだった場合
(f(x)=g(x))∈X
のように表せるはずだが、どうせ化学反応をして
f(x)=g(x)⟺f(x)−g(x)=0
になるから、右辺をわざわざ汚く自由にする必要がない。集合 Xが方程式ではなく関数を持つ構造に従った場合、右辺が0である方程式を集めて、それらがいつ成立するかに関心を持つのと同じことである。
このような考えの拡張により、「実数系係数を持つ多項式関数でも虚根が出ることがある」などの事実が抽象化・一般化されるだろう。