点のコンパクト化
定義 1
位相空間 $(X , \mathscr{T})$ に対して $\infty \notin X$ とする。$X_{\infty} := X \cup \left\{ \infty \right\}$ に対して、下記の二つの条件を満たす位相 $\mathscr{T}_{\infty}$ を定義した $(X_{\infty } , \mathscr{T}_{\infty} )$ を$(X, \mathscr{T})$ の一点コンパクト化one-Point Compactificationと呼ぶ。
- (i): $\infty \notin U \implies U \in \mathscr{T}_{\infty}$ と $U \in \mathscr{T}$ は同値だ。
- (ii): $\infty \in U \implies U \in \mathscr{T}_{\infty}$ と $X_{\infty} \setminus U$ が閉じていてコンパクトであることは同値だ。
定理
$(X_{\infty } , \mathscr{T}_{\infty} )$ は次の性質を持つ。
- [1]: $(X , \mathscr{T})$ は $(X_{\infty } , \mathscr{T}_{\infty} )$ の部分空間だ。
- [2]: $(X_{\infty } , \mathscr{T}_{\infty} )$ はコンパクトだ。
- [3]: $\overline{X} = X_{\infty}$ であることと $X$ がコンパクトではないことは同値だ。
説明
もちろん、一点の記号が無限大を意味するだけで、何らかの大きさや状態を表すわけではない。
例えば、開区間 $(0,1)$ とそれ以外の点 $\infty$ を取ってみよう。
ここで $(0,1)$ を「曲げて」曲線にすると考えてみよう。
与えられた区間は端点 $0$ と $1$ を含まない。ここで接合部を $\infty$ で繋げると次のような形になる。
この閉曲線は、知っての通りコンパクトだ。
$X$ 外の一点をわざわざ $\infty$ と定義する理由は、リーマン球面へと続く議論を考えれば妥当だ。
Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p185. ↩︎