非粘性バーガース方程式における質量保存の法則
📂偏微分方程式非粘性バーガース方程式における質量保存の法則
定理
{ut+uux=0u(t,x)=f(x),t>0,t=0
非粘性ブルガース方程式の解 uについて、区間 [a,b]までの質量 Mを次のように定義する。
Ma,b(t):=∫abu(t,x)dx
そして、破裂時間をt∗とすると、t∈(0,t∗)に対して次が成立する。
dtdMa,b(t)=−(21u2(t,b)−21u2(t,a))
説明
破裂時間は数学的には関数ではなく、物理的には同時に多数の状態が重なる瞬間を意味する。
式を簡単に言うと、質量の変化量は入ってくるものと出ていくものの純合計と同じになるという意味だ。
右辺の 21u2(t,b) を流出と呼び、21u2(t,a)を流入と呼ぶ。時間による Ma,b(t) の変化量が負であるということは、 [a,b] 上で u が減少しているということで、つまり流出が流入よりも大きいということだ。逆に正であれば質量が増加しているということで、流入が流出よりも大きいということになり、表現がうまく一致する。
これを総括すると、F(u):=21u2 を流量関数と呼ぶことができる。
∂t∂u+∂x∂uF(u)=0
この感覚でブルガース方程式を**1次元における質量保存の法則**とも呼ぶ。
導出
u が連続関数であるため、次が成立する。
dtd∫abu(t,x)dx=∫ab∂t∂u(t,x)dx
ut=−uuxであるため、次が成立する。
∫ab∂t∂u(t,x)dx=−∫abuuxdx
uux=∂x∂(21u2)であり、かつut=−uuxであるため、次が成立する。
−∫abuuxdx=−∫ab∂x∂(21u2)dx=−(21u2(t,b)−21u2(t,a))
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特に∫−∞∞f(x)dx<∞の場合、t∈[0,t∗)に対して次が成立する。
∫−∞∞u(t,x)dx=∫−∞∞f(x)dx