非粘性バーガース方程式における質量保存則
定理
$$ \begin{cases} u_{t} + u u_{x} = 0 & , t>0 \\ u(t,x) = f(x) & , t=0 \end{cases} $$
上記の非粘性バーガース方程式の解$u$について、区間$[a,b]$までの線質量$M$を次のように定義しよう。
$$ M_{a,b}(t) := \int_{a}^{b} u(t,x) dx $$
そして破裂時刻を$t_{\ast}$とすると、$t \in ( 0 , t_{\ast})$について次が成り立つ。
$$ {{d} \over {dt}} M_{a,b}(t) = - \left( {{1} \over {2}} u^2 (t,b) - {{1} \over {2}} u^2 (t,a) \right) $$
説明
破裂時刻とは、数学的には関数でなくなり、物理的には同時に複数の状態が重ね合わさる時点を意味する。
数式を平易に言い換えると、質量の変化量は入ってくるものと出ていくものの正味の和に等しくなるという意味になる。
右辺の$\displaystyle {{1} \over {2}} u^2 (t,b)$を流出outfluxといい、$\displaystyle {{1} \over {2}} u^2 (t,a)$を流入influxという。時間による$M_{a,b}(t)$の変化量が負であるということは$[a,b]$上で$u$が減少しているという意味なので、流出が流入より大きいという意味である。逆に正であるということは質量が増加しているということなので、流入が流出より大きいという意味になり、表現と意味がよく合致する。
これらをまとめて$\displaystyle F(u) := {{1} \over {2}} u^2$を流量関数flux functionとすれば、以下のようにすっきりと表現できる。
$$ {{\partial u} \over {\partial t}} + {{\partial u} \over {\partial x}} F(u) =0 $$
このような意味で、バーガース方程式をまるごと**$1$次元上での質量保存則**と呼ぶこともある。
導出
$u$が連続関数なので次が成り立つ。
$$ {{d } \over {dt} } \int_{a}^{b} u(t,x) dx = \int_{a}^{b} {{\partial } \over { \partial t} } u(t,x) dx $$
$u_{t} = - u u_{x}$なので次が成り立つ。
$$ \int_{a}^{b} {{\partial } \over { \partial t} } u(t,x) dx = - \int_{a}^{b} u u_{x} dx $$
$\displaystyle u u_{x} = {{\partial} \over {\partial x}} \left( {{1 } \over {2}} u^2 \right)$であり$u_{t} = - u u_{x}$なので次が成り立つ。
$$ - \int_{a}^{b} u u_{x} dx = - \int_{a}^{b} {{\partial} \over {\partial x}} \left( {{1} \over {2}} u^2 \right) dx = - \left( {{1} \over {2}} u^2 (t,b) - {{1} \over {2}} u^2 (t,a) \right) $$
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特に$\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx < \infty$ならば$t \in [0,t_{\ast})$について次が成り立つ。
$$ \int_{-\infty}^{\infty} u(t,x) dx = \int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx $$
