非粘性バーガース方程式の解
📂偏微分方程式非粘性バーガース方程式の解
定義
以下の準線形偏微分方程式を ブルガース方程式burgers’ equationと呼ぶ。
{ut+uux=0u(t,x)=f(x),t>0,t=0
ここで、tは時間を、xは位置を、u(t,x)は時間tでの位置xの波形を表す。 fは初期条件で、特にt=0の時の波形を表す。
説明
ブルガース方程式は、ut+uux=νuxxにおいて拡散係数νが0の場合を表す。

もしf′(x)>0ならば、xが大きくなるほど速度が速くなるという意味で、特性曲線は上のように希薄波rarefactionを形成する。(t,x)での勾配は波の速度を意味しており、希薄波を形成することは、速度が徐々に増加するか減少するだけであることを意味する。この場合、特性曲線は絶対に交わることはない。

波形を描くと、上のように時間が経過すると速い点がより早く動き、遅い点がより遅く動くため、次第に差が広がる。

一方で、上のようにxが大きくなるほど速度が低下する場合、特性曲線は交差するようになる。

この場合、図に示すように、後ろにあった点が前にあった点を追い越すことが発生する。この図ではt=1の時を基点として、uが与えられたxに対して複数の値を持ち始めている。自然現象の例としては、波ができる状況を想像すると役立つかもしれない。底の方で前進していた水は砂や小石との摩擦で遅くなっているが、上部では力を受けて進行し、結局は倒れる。これを破裂blow-upと言い、数学的には関数が存在しなくなり、物理的には同時に複数の状態が重なることを意味する。
特性曲線が希薄波を形成する場合は解析が簡単すぎるため、主な関心事はこの場合だけではない。解を見つけること自体は難しくないが、それを明示関数の形にきれいに変換することが難しく、不可能な場合も多い。ブルガース方程式の解法には、破裂時間blow-up timeおよび破裂位置blow-up locationを求めることも重要な問題である。粘性係数のないブルガース方程式の解が存在する場合、解法は次の通りである。
解法
ステップ1. ξ=x−tuと置く。
ステップ2. u=f(x−tu)と置く。
するとξ=x−tf(x−tu)=x−tf(ξ)なので、特性直線はx=f(ξ)t+ξとなる。全てのx∈Rに対してf′(x)>0であれば、特性直線は希薄波を形成し、会うことはない。f′(x)<0となるxが存在するなら、特性直線はある点で会い、その点で破裂する。
ステップ3. 初期条件をf(x−tu)=f(ξ)の形に変換する。
もしu=f(ξ)=f(x−tu)を明示関数の形に変換できるならば、変換する。
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無粘性ブルガース方程式の解が有限時間内に破裂する場合、その時間および位置は次の通りである。
ステップ1. uを明示関数の形で求めたならば、uが発散するt=t∗を見つける。
そのt∗が破裂時間になる。
ステップ2. 明示関数の形を求められなかった場合、f′(x)を求める。
t∗:=inf{−f′(x)1 f′(x)<0}
それが破裂時間である。
ステップ3. 特性直線x=f(ξ)t+ξとx軸が会う点x0を探す。
x=f(ξ)t+ξにξ=x0とt=t∗を代入して得られるx∗=x0+f(x0)t∗が破裂位置である。
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例題
1
- {ut+uux=0u(t,x)=α(x−tu)+β,t>0,t=0の破裂時間を求めよ。
これはuが明示関数の形できれいに表されるタイプである。
u=α(x−tu)+βをuについて整理するとu(t,x)=1+αtαx+βであり、破裂時間はt∗=−α1である。
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2
- {ut+uux=0u(t,x)=21π−tan−1x,t>0,t=0の破裂時間を求めよ。
uを明示関数の形で表すのが煩わしいタイプである。
f′(x)=(21π−tan−1x)=−1+x21
であり、x∈Rに対してf′(x)<0が成り立つ。したがって、
t∗=inf{−f′(x)1 f′(x)<0}=inf{(1+x2) f′(x)<0}=1
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