物理学における運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの定義
📂古典力学物理学における運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの定義
運動エネルギー
力が位置にのみ依存する時、つまり速度や時間に対して独立している時、粒子の直線運動の運動方程式(微分方程式)は以下のようになる。
F(x)=mx¨
この場合、加速度x¨を速度に対して以下のように表現できる。
x¨=dtdx˙=dtdv=dxdvdtdx=vdxdv=21dxd(v2)
これを(1)に代入すると、
F(x)=mx¨=m21dxd(v2)=dxd(21mv2)
上記の式の括弧内の物理量を粒子の運動エネルギーと定義し、Tと表記しよう。
T=21mv2
すると、運動方程式(1)は以下のように表される。
F(x)=dxdT
運動エネルギーの記号は、kineticの最初の文字を取ってKやEKとされることがある。
ポテンシャルエネルギー
ここで、関数V(x)を以下のように定義しよう。
−dxdV(x)=F(x)
上記の式で定義される関数V(x)をポテンシャルエネルギーと呼ぶ。すると、運動エネルギーと同じように以下の式で表せる。
−dxdV(x)=F(x)=dxdT
上記の式を最初の位置x0から後の位置x1まで積分すると、以下のようになる。
−V(x1)+V(x0)=T1−T0
この式が意味するのは、物体が運動している間にポテンシャルエネルギーの変化量と運動エネルギーの変化量が大きさは同じで符号は逆であるということだ。つまり、一方が増加すると、もう一方が同じ大きさだけ減少する。これは、両者の合計が常に一定であるという意味だ。だから、両者の合計を粒子の総エネルギーや力学的エネルギーとし、Eと表記しよう。
E=T0+V(x0)=T1+Vx1
この式をエネルギー方程式と呼ぶ。上で見たように、力が位置に依存する関数、ポテンシャルエネルギーV(x)から得られる場合には、粒子の力学的エネルギーが保存されるため、その力を保存力と呼ぶ。位置に依存するポテンシャルエネルギーが存在しない場合、つまり保存力ではない場合は非保存力と呼ぶ。非保存力が物体に作用する場合、物体の力学的エネルギーは保存されない。