伝送連続関数は接続性を保持する
定理
連結空間 $X$において、$f : X \to Y$が全射の連続関数ならば、$Y$は連結空間である。
説明
連結や連続のような似たような言葉が混ざっているため、少し混乱するかもしれません。大抵は英語で覚えることで解決しますが、この定理に使用される英単語はConnectedとContinuousなので、あまり役に立ちません。
証明
$Y$が連結空間ではないと仮定すると、$$ A \cap B = \emptyset \\ A \cup B = Y $$を満たす開いた真部分集合 $A,B \subset Y$が存在するはずだ。$f$は全射関数なので、$f^{-1}(A)$と$f^{-1}(B)$は空集合ではない。
$f$が連続関数ならば、すべての開集合 $V \subset Y$に対して、$f^{-1} (V)$は$X$で開集合だ。
$f$は連続関数であるため、$f^{-1}(A)$と$f^{-1}(B)$は$X$で開集合である。しかし、交差をとってみると $$ f^{-1} (A) \cap f^{-1} (B) = f^{-1} (A \cap B) = f^{-1} ( \emptyset ) = \emptyset $$ だけど、合併をとってみると $$ f^{-1} (A) \cup f^{-1} (B) = f^{-1} (A \cup B) = f^{-1} ( Y ) = X $$ だ。だから、$X$は非連結空間ではなく、これは矛盾である。
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証明をよく考察すると、連結性が位相的性質であることを示す方法と全く同じであることが分かります。ただし、定理全体よりも事実としての性質が強くなった以下の帰結がより使用しやすいでしょう。
帰結
連結空間の$X$に対して$f : X \to Y$が連続関数であれば、$f(X)$は連結空間である1。
Munkres. (2000). 位相幾何学(第2版): p150. ↩︎