logo

クラインの四元群 📂抽象代数

クラインの四元群

定義 1

20200823_002610.png

$V = \left\{ e, a, b, c \right\}$と二項演算$\cdot$について、$\left< V , \ \cdot \ \right>$をクライン四群klein 4-groupと言う。

説明

見ての通り、単位元を含んでも元の数が$4$個しかないため、非常に豊かな性質を持っているわけではない。しかし、計算が少なく、独自の演算を持っているため、群の概念を体得するには非常に良い例になる。例えば、全ての元が自分自身を逆元として持っているように$x \cdot x = e$や、$\left< x \right>$のように表されない等の性質は気軽に確認できる。特に何かに使うというよりは、その存在自体で群論を理解するのに役立つ群と考えるのが良い。

先に述べたように、$V$は巡回群ではない有限群の中で最も元が少ない群である。ちなみに、可換群ではない有限群の中で最も元が少ないは、二面体群の$D_{3} = S_{3}$である。


  1. Fraleigh. (2003). A first course in abstract algebra(7th Edition): p51. ↩︎