複素解析における交差比
📂複素解析複素解析における交差比
定義
拡張複素平面上で、四つの異なる点 z1,z2,z3,z4∈C に対して、次のように交差比クロス・レイシオを定義する。
(z1,z2,z3,z4)=(z1−z2)(z3−z4)(z1−z4)(z3−z2)
説明
ちょっと形を変えて (z1,z2,z3,z)=(z1−z2)(z3−z2)⋅(z−z3)(z−z1) とすると、
(z1,z2,z3,z1)=0(z1,z2,z3,z2)=1(z1,z2,z3,z3)=∞
成り立って、少なくとも三つの点が出てくることから、円や直線を扱う際に使われることが容易に想像できる。
ここでのキーポイントは次の性質です。
定理
交差比は双一次変換に対して不変である。
証明
双一次変換を f とし、交差比を g(z)=(z1,z2,z3,z) とすると、
g(f−1(w1))=g(z1)=0g(f−1(w2))=g(z2)=1g(f−1(w3))=g(z3)=∞
つまり、g∘f−1 は w1,w2,w3,w4∈C に対する交差比になる。従って、
(z1,z2,z3,z4)=g(z4)=g(f−1(w4))=(w1,w2,w3,w4)
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