奇関数と偶関数
定義
- $f(-x) = f(x)$ を満たす関数 $f(x)$ を偶関数evenという。
- $f(-x) = -f(x)$ を満たす関数 $f(x)$ を奇関数oddという。
説明
偶関数は座標平面で$y$ 軸に関して対称な関数、奇関数は原点$O$ に関して対称な関数だ。
例として三角関数の中で、奇関数の$\sin$ と偶関数の$\cos$ を挙げることができる。$\sin$ を微分すると$\cos$ が、$\cos$ を微分すると$\sin$ が得られる。必要ないように見えるかもしれないけど、関数を正確に知らなくても使える状況で便利だ。
導関数
$f$ が実数全体で微分可能なら、次が成り立つ。
- [1] 偶関数の導関数は奇関数だ。
- [2] 奇関数の導関数は偶関数だ。
導出
$f(x)$ を任意の奇関数、$g(x)$ を任意の偶関数とする。
$f(x)=-f(-x)$ であることから、 $$ f ' (x)=f ' (-x) $$ $g(x)=g(-x)$ であることから、 $$ g ' (x)=-g ' (-x) $$
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系
もう一つ覚えておくといいことが、偶関数 $g(x)$ の導関数 $g ' (x)$ は、常に $g ' (0)=0$ である。
証明
$$ \begin{align*} & g ' (x)=-g ' (-x) \\ \implies& g ' (0)=-g ' (-0) \\ \implies& 2g ' (0)=0 \\ \implies& g ' (0)=0 \end{align*} $$
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