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位相空間とは? 📂位相幾何学

位相空間とは?

定義

位相空間 1

集合 $X$ が与えられた時、$\mathscr{T} \subset \mathscr{P} (X)$ が $T \in \mathscr{T}$ に対して次の三つの条件を満たすなら、$\mathscr{T}$ を $X$ の位相と呼び、$\left( X , \mathscr{T} \right)$ を位相空間と呼ぶ。

  • (i): $$\emptyset , X \in \mathscr{T}$$
  • (ii): $$\displaystyle \bigcup_{ \alpha \in \forall } T_{\alpha} \in \mathscr{T}$$
  • (iii): $$\displaystyle \bigcap_{ i= 1}^{n} T_{i} \in \mathscr{T}$$

条件 (i)~(iii) を言葉で説明すると以下の通り:

  • (i): $\mathscr{T}$ は空集合 $\emptyset$ と全集合 $X$ を含む。
  • (ii): $\mathscr{T}$ の元の和集合は $\mathscr{T}$ に属する。
  • (iii): $\mathscr{T}$ の元の有限交わりは $\mathscr{T}$ に属する。

開集合と閉集合 2

  1. $O \in \mathscr{T}$ を開集合と定義する。
  2. $C \subset X$ に対して $ X \setminus C \in \mathscr{T}$ ならば $C$ を閉集合と定義する。
  3. 開集合であり、かつ、閉集合であるならば開かつ閉な集合と言う。

説明

位相空間

定義上、$\mathscr{T}$ は $\cup$ と $\cap$ に対して閉じていて、代数的な考えが思い浮かぶかもしれないが、この定義だけでは代数的な性質を見つけるのが難しい。

高校で習ったように「力と方向を持つ量」ではなく、条件を満たせばベクトルになるように、位相空間の位相も単に条件を満たす部分集合の集合として一般化されたものである。

開集合と閉集合

位相を定義すると同時に、開けることと閉じることも新たに定義される。従来の距離空間では、開区間と閉区間の概念から続くものとして直感的に定義されていたが、一般的な位相では集合を使うため、抽象的で奇妙な空間を生み出すことができる。

定義を見ると、開けることは完全に位相の概念を借りて新たに定義されているが、閉じることは距離空間でほとんど同じであることがわかる。

位相と開けること、閉じることの定義に従って、以下の性質を簡単に確認できる。

定理

  • [1-1]: $\displaystyle \bigcup_{ \alpha \in \forall } O_{\alpha} \in \mathscr{T}$ は開集合である。
  • [1-2]: $\displaystyle \bigcap_{ i= 1}^{n} O_{i} \in \mathscr{T}$ は開集合である。
  • [2-1]: $\displaystyle \bigcap_{ \alpha \in \forall } C_{\alpha} \in \mathscr{T}$ は閉集合である。
  • [2-2]: $\displaystyle \bigcup_{ i= 1}^{n} C_{i} \in \mathscr{T}$ は閉集合である。
  • [3]: $\emptyset$ と $X$ は開集合であり、かつ、閉集合である。

以下の例を通して位相についての感覚を掴んでみよう。

$X:=\left\{ a,b,c,d \right\}$ に対して $\mathscr{T} : = \left\{ \emptyset , \left\{ b \right\} , \left\{ a, b \right\} , \left\{ b,c \right\} , \left\{ a,b,c \right\} , \left\{ a,b,c,d \right\} \right\}$ が $X$ の位相であることを示せ。


  • (i): $\emptyset \in \mathscr{T}$ であり、$\left\{ a,b,c,d \right\} =X \in \mathscr{T}$ である。
  • (ii): 全集合 $X$ を除いては、$d$ は使われず、$\left\{ a,b,c \right\} \in \mathscr{T}$ である。
  • (iii): 空集合 $\emptyset$ を除いては、すべて $b$ を共有し、$\left\{ b \right\} \in \mathscr{T}$ である。


  1. Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p76. ↩︎

  2. Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p93. ↩︎