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ノーマルセクションの定義とメネラウスの定理 📂幾何学

ノーマルセクションの定義とメネラウスの定理

定義1

曲面$M$上の曲線$\boldsymbol{\gamma}$が与えられたとしよう。$p \in M$での法線$\mathbf{n}(p)$と$\boldsymbol{\gamma}^{\prime}(p) \in T_{p}M$が生成する平面を$\Pi$と記す。$M \cap \Pi$を$p$から$\boldsymbol{\gamma}^{\prime}$方向への$M$の法線セクションnormal sectionとする。

1.PNG

定理2

点$p$での法曲率が$\kappa_{n}$である曲面$M$上の単位速度曲線を$\boldsymbol{\gamma}(s)$としよう。そして、$\tilde{\boldsymbol{\gamma}}$を法線セクションとする。すると、平面曲線$\tilde{\boldsymbol{\gamma}}$の曲率$\tilde{\kappa}$は、次の式を満たす。

$$ | \kappa_{n} |= \tilde{\kappa} $$

説明

これをミュスニエの定理という。ミュスニエはフランス人で、パパゴでは[무스니어]、Googleでは[뫼니에]くらいに発音されるみたいだ。

法線セクションは、法面、垂直面とも訳されることもあるが、実際には曲面上の曲線を表しているため、適当な単純化とは言えない。韓国数学会では垂直切断線という訳も見られるが、やはり法線セクションと呼ぶのが最も良いと思われる。

法線セクション$\tilde{\boldsymbol{\gamma}}$は、$M$から見れば空間曲線だが、$\Pi$の上の平面曲線でもある。

証明

補助定理

$\alpha, \beta$を$\alpha (0) = \beta (0)$が成立する正規曲線としよう。$\lambda \ne 0$に対して、二つの曲線の速度ベクトルが$\alpha^{\prime}(0) = \lambda \beta ^{\prime}(0)$を満たす場合、$t=0$のとき、二つの曲線の法曲率$\kappa_{n}$は同じである。

補助定理により、二つの曲線$\boldsymbol{\gamma}, \tilde{\boldsymbol{\gamma}}$の法曲率は共に$\kappa_{n}$である。この時、$\tilde{\boldsymbol{\gamma}}$の点$p$での法線は$\pm \mathbf{n}$である。

また、平面曲率の性質によれば、$\tilde{\boldsymbol{\gamma}}$の平面曲率$\tilde{k}$は以下のようだ。

$$ | \tilde{k} | = \tilde{\kappa} $$

すると、平面曲率と法曲率の定義により、

$$ \tilde{k} =\pm \left\langle \tilde{\boldsymbol{\gamma}}^{\prime \prime}, \mathbf{n} \right\rangle = \pm \kappa_{n} $$

したがって、

$$ \left| \kappa_{n} \right| = | \tilde{k} | = \tilde{\kappa} $$


  1. Manfredo P. Do Carmo Differential Geometry of Curves & Surfaces (Revised & Updated 2nd Edition, 2016), p144-145 ↩︎

  2. Richard S. Millman and George D. Parker, Elements of Differential Geometry (1977), p123-124 ↩︎